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ISAM International Study of Anticoagulation Management
結論 抗凝固療法は国ごとに大幅に異なっていた。専門医による抗凝固療法の方が,かかりつけ医に比し目標国際標準比(INR)を長期間維持できた。医師の指示は治療過多よりは治療不十分となる傾向がみられ,また一部では治療記録が不十分(目標INRが不明など)であった。

目的 脳卒中予防を目的としてビタミンK拮抗薬(VKA)を服用している慢性の非弁膜症性心房細動(NVAF)患者に対する抗凝固薬管理の質(目標INRの明記,INR2.0-3.0を達成した期間の割合など)を,医療機関の種類/国ごとに比較。
デザイン コホート研究。
セッティング 多施設。5ヵ国(米国,カナダ,フランス,イタリア,スペイン)。
期間 治療期間は連続した60日以上。試験期間は12ヵ月(2001-2003年,時期は国ごとに異なる)。追跡期間は最大12ヵ月。
対象患者 1511例(横断解析は1445例,患者ベース解析は1384例)。12ヵ月の試験期間中に脳卒中予防を目的として連続した60日以上にわたりwarfarin(または他のVKAs)を投与された18歳以上の慢性NVAF患者。
【除外基準】人工心臓弁,心臓弁膜手術歴またはリウマチ性心疾患,電気的除細動に関連した短期VKA治療歴。
【患者背景】平均年齢は米国74.8歳,カナダ73.5歳,フランス73.3歳(以上RMC群);イタリア72歳,スペイン71.6歳(以上ACC群)。
治療法 以下の2群で追跡。
routine medical care群(RMC群):かかりつけ医(ただし労働時間の50%以上[カナダでは20%以上]を抗凝固療法に費やす職員をもたないこと)による抗凝固療法を実施。対象国は米国,カナダ,フランス。
anticoagulation clinic care群(ACC群):専門医による計画的な抗凝固療法を実施。対象国はイタリア,スペイン(イタリアはRMCが主流であるが,物流上の都合によりACC群とした)。
追跡完了率 追跡期間(273-365日)達成率は米国84%,カナダ88%,フランス84%,イタリア88%,スペイン80%。
【脱落理由】表記なし。
結果

●評価項目
目標INR不明例はACC群(イタリア,スペイン)ではみられなかったが,RMC群では米国39%,カナダ86%,フランス61%が認められた。
横断解析の結果,各INR領域における達成期間の割合はINR<2.0:14.0-27.7%,INR 2.0-3.0:58.1-69.5%,INR>3.0:10.4-26.8%と,治療不十分期間(INR<2.0)が治療過多期間(INR>3.0)より長くなる傾向がみられた。
INRの記録が60日以上ある症例を対象とした患者ベース解析の結果,目標INR 2.0-3.0達成期間の割合(平均値)は米国57.0±24.1%,カナダ61.0±25.2%,フランス58.1±25.1%,イタリア68.9±17.0%,スペイン64.4±19.4%と,おおむねACC群にてRMC群に比し有意に高かった(イタリア:対米国p<0.0001,対カナダp=0.002,対フランスp<0.0001;スペイン:対米国p<0.0001,対カナダp=0.14,対フランスp=0.005)。

●有害事象
表記なし。

文献: Ansell J, et al. Descriptive analysis of the process and quality of oral anticoagulation management in real-life practice in patients with chronic non-valvular atrial fibrillation: the international study of anticoagulation management (ISAM). J Thromb Thrombolysis 2007; 23: 83-91. pubmed
関連トライアル ACTION, ACTIVE W INR control, AMADEUS, Crowther MA et al, Hylek EM et al, MOCA, NABOR, PROTECT AF, SPORTIF INR control
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