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Flaherty ML et al The increasing incidence of anticoagulant-associated intracerebral hemorrhage
結論 1990年代の米国Greater Cincinnati/Northern Kentucky地域において,抗凝固薬関連脳内出血(AAICH)の発症数は4倍上昇したが,これはwarfarin使用の増加によると考えられた。1999年現在,AAICHの発症率はくも膜下出血と同程度である。

目的 warfarinの脳卒中予防効果に関する臨床試験が報告された前後(1990年代)における,AAICHおよび心塞栓性虚血性脳卒中の発症数を,同じ母集団より期間ごと(1988年,1993-4年*,および1999年*。脳卒中発症率は*の2期間のみ)に比較。
デザイン
セッティング 多施設。米国。
期間 各調査期間は1988年1月-12月,1993年7月-1994年6月,および1999年1月-12月。
対象患者 762例。上記調査期間中に米国Greater Cincinnati/Northern Kentuckyの病院に入院した患者,および検死を受けた患者。
【除外基準】表記なし。
治療法 ICHは以下の1-3群,虚血性脳卒中は2,3群において調査。
1群(184例):1988年に初発のICHおよびくも膜下出血により入院した患者を,国際疾病分類第9版(ICD-9)により同定(入院患者以外については検死結果により同定)。
2群および3群:1993-4年(2群,267例)または1999年(3群,311例)に初発の出血イベントまたは虚血性脳卒中の発症により入院した患者を,脳卒中関連のICD-9退院時診断により同定(入院患者以外については,救急外来の記録または検死結果により同定)。
AAICHはwarfarinまたはheparinを服用していた症例におけるICHとした。人口10万人当たりの年間発症率は年齢,人種,性別により補正し,2000年の米国人口を用いて換算した。
追跡完了率
結果

●評価項目
ICHに占めるAAICHの発症は,1988年:5%,1993-4年:9%,1999年:17%(p<0.001)。
ICHの年間発症数(10万人当たり,以下同)は,1988年:16.5(95%CI 14.1-18.9),1993-4年:22.1(95%CI 19.4-24.8),1999年:24.6(95%CI 21.8-27.4)と,1988年から1993-4年にかけて上昇したが(p<0.001),1993-4年から1999年にかけては有意差が認められなかった(p=0.24)。
AAICHの年間発症数は,1988年:0.8(95%CI 0.3-1.3),1993-4年:1.9(95%CI 1.1-2.7),1999年:4.4(95%CI 3.2-5.5)と,1988年から1999年にかけて上昇し(p<0.001),特に80歳以上では他の年齢層に比し著明な上昇がみられた(1988年:2.5[95%CI 0-7.4],1999年:45.9[95%CI 25.6-66.2],p<0.001)。なお1999年の発症数:4.4は,くも膜下出血の発症数:6.6(報告値)より若干低い程度であった。
心塞栓性虚血性脳卒中の年間発症数は,1993-4年:31.1(95%CI 27.9-34.3),1999年:30.4(95%CI 27.3-33.5)と,変化がみられなかった(p=0.65)。
心房細動による心塞栓性虚血性脳卒中の年間発症数は,1993-4年:22.0(95%CI 19.3-24.7),1999年:20.6(95%CI 18.1-23.2)と,変化がみられなかった(p=0.44)。
人口10万人当たりのwarfarin販売量(米国の薬品卸売業者の出荷データより)は,1988年には114248/10万人であったが,1999年にはその約4倍に上昇した。一方,AAICH当たりのwarfarin 販売量は,1988年:142810/例から1999年:97197/例に減少し,AAICHの発症数の増加はwarfarinの普及より速かったことが示された。

●有害事象
表記なし。

文献: Flaherty ML, et al. The increasing incidence of anticoagulant-associated intracerebral hemorrhage. Neurology 2007; 68: 116-21. pubmed
関連トライアル BAT, Béjot Y et al, Garcia DA et al, Greater Cincinnati/Northern Kentucky Stroke Study, Huhtakangas J et al, Majeed A et al, PROTECT AF, SAINT postthrombolysis ICH, 抗血栓薬使用,脳内微小出血および脳内出血
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