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GRACE heparin
結論 緊急入院した非ST上昇型急性冠症候群の患者に対するheparin治療の実態は,経皮的冠動脈形成術(PCI)施行の有無およびその時期による影響を受けたように思われた。短期臨床アウトカムは,早期からの低分子量heparin(LMWH)継続治療により改善されたが,heparinの変更により悪化した。

目的 非ST上昇型急性冠症候群の患者において,LMWHおよび未分画heparin(UFH)の投与の現状を調査し,投与レジメンごとの臨床アウトカムを比較。エンドポイント:死亡,大出血,死亡+心筋梗塞(MI)+虚血の再発など。
デザイン
セッティング 多施設(111施設)。14ヵ国。
期間 登録期間は1999年4月-2005年12月。
対象患者 23172例。以下の1つ以上に該当する患者:心電図による急性冠症候群の所見,血清生化学的マーカーの連続的増加,冠動脈疾患の診断。
【除外基準】急性冠症候群を悪化させる非心血管性の合併症,初期クレアチニン値>2mg/dL,脳卒中などの大出血歴,収縮期血圧>220mmHgかつ/または拡張期血圧>120mmHg,coumadinによる長期治療,悪性腫瘍の既往,LMWH/UFHに対する禁忌など。
【患者背景】年齢中央値はLMWH群67.3歳,UFH群66.0歳,クロスオーバー群65.5歳,heparin非投与群67.3歳。
治療法 以下の4群を追跡。
LMWH群(8791例):入院から24時間以内にLMWH投与を開始し,その後も投与を継続。
UFH群(4076例):入院から24時間以内にUFH投与を開始し,その後も投与を継続。
クロスオーバー群(7352例):入院期間中にheparin治療を変更(薬剤の種類の変更,24時間以降の治療中止または開始など)。
heparin非投与群(2953例):入院期間中,いずれのheparinも投与せず(心カテーテル中のheparin投与はheparin非投与とみなした)。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
死亡は1.8%,2.5%,2.3%,2.4%と,LMWH群にて最も低かった(heparin非投与群に対する補正後のオッズ比[95%CI]:LMWH群0.79[0.56-1.11],UFH群1.18[0.81-1.70],クロスオーバー群1.15[0.81-1.62])。
大出血は1.4%,1.9%,2.0%,1.5%と,LMWH群にて最も低かった(heparin非投与群に対する補正後のオッズ比[95%CI]:LMWH群0.97[0.66-1.43],UFH群0.91[0.60-1.39],クロスオーバー群1.00[0.68-1.47])。
死亡+MI+虚血の再発は27.1%,29.3%,32.5%,20.6%と,(heparin非投与群を除いて)LMWH群にて最も低く,クロスオーバー群にて最も高かった(heparin非投与群に対する補正後のオッズ比[95%CI]:LMWH群1.44[1.29-1.62],UFH群1.63[1.43-1.85],クロスオーバー群1.93[1.71-2.17])。

●有害事象
[評価項目]に表記あり。

文献: Gore JM, et al. and GRACE Investigators. Use of heparins in Non-ST-elevation acute coronary syndromes. Am J Med 2007; 120: 63-71. pubmed
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