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IN-RANGE International Normalized Ratio Adherence and Genetics
結論 患者にとってwarfarinレジメンを適切に遵守することは実質的に難しく,不遵守により抗凝固コントロールに著明な影響がみられた。

目的 warfarin治療における服薬遵守を定量的に評価。一次エンドポイント:外来来院時の国際標準比(INR)。二次エンドポイント:服薬遵守と治療域外INR(治療域未満INR;≦1.5,治療域超INR;>4.0)との関連。
デザイン 前向きコホート研究,単盲検(抗凝固治療担当医師を服薬遵守データに対して盲検化)。
セッティング 多施設(3施設)。米国。
期間 平均追跡期間は32週。
対象患者 136例。3施設の外来で目標INR 2.0-3.0にてwarfarin治療を開始した21歳以上の患者。
【除外基準】warfarin治療開始前からINRが異常,抗リン脂質抗体保持者。
【患者背景】年齢中央値は58.5歳。
治療法 治療開始前にwarfarin治療/INRに影響を及ぼしうる要因,およびwarfarin投与前1週間(ベースライン)におけるビタミンKを豊富に含む食品の摂取量を調査。
全例に1日1回定められた用量のwarfarinを服用するよう指示。Medical Event Monitoring System薬剤瓶キャップ(MEMSキャップ)を装着したwarfarin薬瓶を提供し,治療期間中,薬瓶を開けた正確な日時を記録(7日間ピルケースのような代替容器を用いる場合は,服用ごとにMEMSキャップも開閉するよう指示)。
外来来院時にINRを測定,服薬状況/ビタミンK摂取量/アルコール摂取量/体重の変化を調査,必要に応じて一時的な服用中止を指示。
追跡完了率 適格者188例のうち52例が脱落。
【脱落理由】辞退27例,追跡期間1週間未満25例。
結果

●評価項目
服薬遵守(adherence)状況:全例の92%が規定より1回以上少なく/多く薬瓶を開け,36%が5回に1回超の頻度で薬瓶を開け忘れ,4%が10回に1回超の頻度で薬瓶を開けすぎた。
多変量解析によれば,患者背景で補正した後でも薬瓶の開け忘れ(underadherence)と治療域未満INRに関連性が認められ(p<0.001),薬瓶の開け忘れ頻度>20%にて,同頻度≦20%に比し治療域未満INRの割合が上昇した(p<0.001)。開け忘れ頻度が10%相対上昇すると,治療域未満INRのオッズが14%(p<0.001),治療域外INRのオッズが10%(p<0.001)上昇した。また開け忘れ頻度>20%では,治療域未満INRのオッズが2倍超上昇した(補正後オッズ比2.10,95%CI 1.48-2.96)。
薬瓶の開けすぎ(overadherence)は治療域超INRと関連性が認められ(p=0.02),薬瓶の開けすぎ頻度>10%にて,同頻度≦10%に比し治療域超INRの割合が上昇した(p=0.04)。

●有害事象
表記なし。

文献: Kimmel SE, et al. The influence of patient adherence on anticoagulation control with warfarin: results from the International Normalized Ratio Adherence and Genetics (IN-RANGE) Study. Arch Intern Med 2007; 167: 229-35. pubmed
関連トライアル REVERSE PTS substudy, Ryan F et al, SPORTIF INR control
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