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Bybee KA et al Preoperative aspirin therapy is associated with improved postoperative outcomes in patients undergoing coronary artery bypass grafting
結論 冠動脈バイパス術(CABG)前5日以内にaspirinを投与することにより,出血による再手術や血液製剤の輸液などのリスクを高めることなしに,術後の病院内死のリスクが低下することが示唆された。

目的 CABG前5日以内のaspirin投与が術後初期の諸症状に及ぼす影響を検討。一次エンドポイント:CABG後の原因を問わない院内死亡率。二次エンドポイント:周術期における脳血管の有害事象,出血による再手術,血液製剤の輸液。
デザイン 後ろ向きコホート研究。
セッティング 単施設。米国。
期間 手術期間は2000年1月1日-2002年12月31日。
対象患者 1636例。Mayo Clinicにおいて初回かつ単一冠動脈のCABGを実施した連続した患者。
【除外基準】表記なし。
【患者背景】年齢中央値はaspirin投与症例69.0歳(四分位範囲60.0-75.0歳),aspirin非投与症例69.0歳(四分位範囲62.0-74.0歳)。
治療法 CABG前5日以内にaspirinを投与した症例(aspirin投与症例:1316例[80.4%])と投与しなかった症例(aspirin非投与症例:320例[19.6%])にCABGを実施。
追跡完了率
結果

●評価項目
原因を問わない院内死亡はaspirin投与症例22例(1.7%),aspirin非投与症例14例(4.4%)に認められた。患者背景を補正した後のオッズ比(OR)は0.34で,aspirin投与症例のリスクが低かった(95%CI 0.15-0.75,p=0.007)。
周術期における脳血管の有害事象はaspirin投与症例36例(2.7%),aspirin非投与症例12例(3.8%)に認められた。補正後ORは0.67で,aspirin投与症例にてリスクが低下する傾向がみられた(95%CI 0.32-1.50,p=0.31)。出血による再手術はaspirin投与症例46例(3.5%),aspirin非投与症例11例(3.4%)に認められた。補正後ORは0.80で,症例間差は認められなかった(95%CI 0.40-1.74,p=0.56)。血液製剤の輸液はaspirin投与症例751例(57.1%),aspirin非投与症例165例(51.6%)に認められた。補正後ORは1.17で,aspirin投与症例にてリスクがわずかに上昇する傾向がみられたが,有意差は認められなかった(95%CI 0.88-1.54,p=0.28)。

●有害事象
表記なし。

文献: Bybee KA, et al. Preoperative aspirin therapy is associated with improved postoperative outcomes in patients undergoing coronary artery bypass grafting. Circulation 2005; 112: I286-92. pubmed
関連トライアル Antiplatelet Therapy after Coronary Artery Bypass Graft Surgery, Berger JS et al, GRACE, Jacob M et al, MSPIRG, Rajah SM et al 1994
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