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AAASPS 2003 African American Antiplatelet Stroke Prevention Study
結論 非心原性の虚血性脳梗塞を発症した黒人患者において,再発性脳卒中,心筋梗塞,血管死に対する予防効果は,aspirinとticlopidineで有意差は認められなかったが,aspirinにより致死性/非致死性脳卒中が減少し,ticlopidineによりわずかではあるが有害事象が重篤化する傾向が示された。

目的 黒人患者における再発性脳卒中の予防に対するaspirinとticlopidineの有効性および安全性を検討。一次エンドポイント:再発性脳卒中+心筋梗塞+血管死。二次エンドポイント:致死性/非致死性脳卒中の再発など。
デザイン ランダム化,二重盲検,intention-to-treat解析,研究者主導型臨床試験。
セッティング 多施設(62施設)。米国。
期間 登録期間は1995年12月12日-2001年10月1日。追跡期間は2年間,エンドポイント到達時点まで,または2002年7月15日まで(2002年3月31日の時点で追跡未完了の症例を含め,平均値1.54年,ticlopidine[T]群中央値710日,aspirin[A]群中央値716日)。
対象患者 1809例。29-85歳の黒人男女で非心原性の虚血性脳梗塞を発症後7日以上90日未満,頭蓋部のCT/脳MRIおよび神経障害により新規脳梗塞の所見が認められた症例。
【除外基準】一過性虚血発作,くも膜下出血,心原性塞栓症,医原性脳卒中,非アテローム性脳卒中,術後30日以内の脳卒中,または新規脳梗塞に対する一次治療として頸動脈内膜切除;連続3日間の動脈圧が130mmHg超;修正Barthel indexが10未満;認知症または神経変性疾患の病歴;予後2年未満と診断された癌などの重篤な合併症;他の臨床試験への登録;試験薬に対するアレルギーまたは過敏性;妊娠可能な女性;現在または過去1年間の消化管出血,出血体質,血小板異常などの血液学的異常(試験薬の禁忌対象となるため);血尿または大量出血の原因に関する便グアヤック試験陽性;プロトロンビン時間または部分トロンボプラスチン時間の延長;血中尿素窒素濃度が40mg/dL超;血清クレアチニン濃度が2.0mg/dL超(176.8μmol/L);血小板数または白血球数の正常値下限に基づく血小板減少または白血球減少(好中球数の絶対値が≧1800/mm3の場合を除く);肝機能検査値が正常値上限の2倍以上。
【患者背景】平均年齢T群60.9±10.7歳,A群61.6±10.4歳。
治療法 ticlopidine 250mg+プラセボ,1日2回投与群(902例;T群)とaspirin 325mg+プラセボ,1日2回投与群(907例;A群)にランダム化。
投与期間は最大2年間。2年以内にエンドポイントに達した場合,または2002年7月15日以降(2002年3月31日の時点で全例を追跡してもticlopidineの優位性が示される確率が1%未満であることが判明したため,盲検治療の中止を決定)は,オープンラベルにてaspirin投与を継続,または地域かかりつけ医による脳卒中予防治療を開始。
追跡完了率 2002年3月31日の時点でT群276例,A群246例が脱落。
【脱落理由】自主的な辞退(T群100例,A群90例),有害事象(T群81例,A群71例),追跡不能(T群37例,A群31例)など。
結果

●評価項目
一次エンドポイントは245例で認められ(T群133例[14.7%],A群112例[12.3%],ハザード比1.22,95%CI 0.94-1.57),時間経過に伴う発症率に群間差はみられなかった(p=0.12)。二次エンドポイントのうち致死性脳卒中は6例(T群4例[0.4%],A群2例[0.2%]),非致死性脳卒中は186例(T群102例[11.3%],A群84例[9.3%])で認められ,A群で時間経過に伴う発症率の低下傾向がみられた(p=0.08)。

●有害事象
532例で重篤有害事象が認められ(T群270例[29.9%],A群262例[28.9%]),内訳は下痢(0.3% vs 0.2%),好中球減少(3.4% vs 2.2%),血小板減少(0.3% vs 0.2%),消化管出血(0.9% vs 0.4%)などで,いずれも有意な群間差はみられなかった。なお,初期にT群にて血小板減少が1例に発症し,血栓性血小板減少性紫斑病と診断されたが,血漿交換法により回復した。

文献: Gorelick PB, et al and African American Antiplatelet Stroke Prevention Study Investigators. Aspirin and ticlopidine for prevention of recurrent stroke in black patients: a randomized trial. JAMA 2003; 289: 2947-57. pubmed
関連トライアル AAA, AAASPS 1998, ACTIVE W, AFTER, AICLA, APPRAISE, APPRAISE-2, Asymptomatic Cervical Bruit Study, ATIAIS, ATLAS ACS-TIMI 46 , CAPRIE 1996, CAPRIE 1999, CAPRIE 2000, CARESS, CASISP, CAST, CAST-IST, CATS, CHANCE, CHARISMA atrial fibrillation, CHARISMA stroke severity, CHARISMA subgroup analysis, COMMIT, COMPASS, Dutch-TIA Trial, EARLY, ECLAP, EMATAP, ESPRIT , ExTRACT-TIMI 25 clopidogrel, Fukuuchi Y et al, Ishikawa K et al, JAMIS, JAST, JETS-1, JPAD, MATCH, PCI-CLARITY, PRoFESS, PRoFESS acute ischemic stroke, PRoFESS disability and cognitive function, S-ACCESS, SALT, SAPAT, SPIRIT, SPORTIF V, SPS3, STAI 1990, STIMS, SWISSI II, TASS 1989, TASS 1993, TASS 1993, TIM, TISS, TRA 2P-TIMI 50 previous myocardial infarction, TRITON-TIMI 38 PCI, WARCEF, WARSS, WASID, WHS
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