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MSPIRG Multicenter Study of Perioperative Ischemia Research Group
結論 冠動脈バイパス術(CABG)後48時間以内のaspirin投与は安全で,死亡および心臓,脳,腎臓,消化管における虚血性併発疾患のリスクを低下させることが示された。

目的 CABGにおける血行再建術直後のaspirin投与が,術後48時間以降の死亡および心臓,脳,腎臓,消化管における致死的/非致死的虚血性イベントに及ぼす影響を検討。
デザイン 前向き観察研究。
セッティング 70施設,17ヵ国。
期間 登録期間は1996年11月-2000年6月。
対象患者 5022例。無作為抽出された冠動脈疾患患者のうち,人工心肺を用いたCABG後48時間以上生存した者。
【除外基準】他の試験/臨床試験への参加など。
【患者背景】平均年齢はaspirin群63.6±9.71歳,非投与群64.3±9.8歳。
治療法 血行再建後48時間以内にaspirin(総用量80-650mg)を投与した症例(aspirin群,2999例)とaspirinを投与しなかった症例(非投与群,2023例)を比較。
追跡完了率
結果

●評価項目
CABGを実施した5065例のうち,術後48時間以内にaspirin群2例,非投与群41例が死亡した。術後48時間以降の死亡はaspirin群40例,非投与群81例で,死亡率はaspirin群で低かった(1.3% vs 4.0%,p<0.001)。なお術後48時間以内/以降とも,死亡の全例が1つ以上の虚血性イベントによるものであった。
非致死性虚血性イベントの発症率は,aspirin群で非投与群に比し低かった(心筋梗塞2.8% vs 5.4%[p<0.001],脳卒中1.3% vs 2.6%[p=0.01],腎不全0.9% vs 3.4%[p<0.001],消化管の虚血性/梗塞性イベント0.3% vs 0.8%[p=0.01],これら非致死性虚血性イベントの複合9.4% vs 15.4%[p<0.001])。
院内生存率はaspirin群にて非投与群に比し高く(p<0.001),他の薬剤による治療などと比較した多変量解析の結果,血行再建術直後のaspirin投与(死亡に対するオッズ比[OR]0.41,95%CI 0.27-0.62,p<0.001)のみが院内生存率の改善に寄与していることが示された。

●有害事象
aspirin群および非投与群にて消化管出血(1.1% vs 2.0%),その他の出血(1.7% vs 3.3%),出血による再手術(1.9% vs 5.2%),胃炎(0.3% vs 0.1%),感染症(8.4% vs 13.1%),創傷治癒障害(4.5% vs 4.5%)が認められたが,多変量解析の結果,これらに対するリスクはaspirin群で非投与群に比し低かった(OR 0.63,95%CI 0.54-0.74)。

文献: Mangano DT; Multicenter Study of Perioperative Ischemia Research Group. Aspirin and mortality from coronary bypass surgery. N Engl J Med 2002; 347: 1309-17. pubmed
関連トライアル Bybee KA et al, CAPRIE 2000, CLARITY-TIMI 28, CREDO, CURE, ISAR, Jacob M et al, POISE-2, PRISM, PRISM-PLUS 1998, PURSUIT 1998, RESTORE, STARS, TACTICS-TIMI 18 2001, WHS
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