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WASID subgroup analysis
結論 症候性の頭蓋内動脈狭窄患者において,狭窄動脈領域における続発性脳卒中のリスクは,狭窄率70%以上,早期登録(発症から17日以内),および女性において高かった。

目的 狭窄動脈領域における脳卒中に寄与するリスク因子を,Cox比例ハザードモデルを用いた多変量解析により同定。エンドポイント:症候性頭蓋内動脈狭窄部位での虚血性脳卒中。
デザイン ランダム化,二重盲検,intention-to-treat解析。本論文は WASID(N Engl J Med 2005;352:1305-16)のサブ解析。
セッティング 多施設(59施設)。北米。
期間 登録期間は1999年2月-2003年7月。平均追跡期間は1.8年。
対象患者 569例。血管造影で確認された主要頭蓋内動脈(頸動脈,中大脳動脈,椎骨動脈または脳底動脈)の50-99%の狭窄により,90日以内に一過性脳虚血発作(TIA)または障害を伴わない脳卒中を発症したmodified Rankin Score[mRS] 3以下,かつ40歳以上の患者。
【除外基準】頭蓋外頸動脈の50-99%の狭窄,頭蓋内動脈の非アテローム動脈硬化性狭窄,心原性塞栓など。
【患者背景】平均年齢は狭窄動脈部位にて発症例62.0±11.5歳,非発症例63.8±11.4歳。
治療法 warfarin群(目標プロトロンビン時間国際標準比2.0-3.0)とaspirin群(1300mg/日)にランダム化。
イベント発生について毎月確認し,4ヵ月ごとに神経内科医が診察。
追跡完了率 6ヵ月後の脱落は13例(2.3%)。
【脱落理由】追跡不能6例,辞退7例。
結果

●評価項目
虚血性脳卒中の発症は106例(19.0%)で,うち狭窄動脈領域における発症は77例(73%;確定51例,推定26例)であった。1年以内の発症は60/77例(78%)。
狭窄動脈領域における脳卒中のリスクは,重度(≧70%)の狭窄例(ハザード比[HR]2.03,95%CI 1.29-3.22,p=0.0025)および早期(当該イベントの発症から17日以内)登録例(HR 1.69,95%CI 1.06-2.72,p=0.028)にて高かった。また女性において高い傾向がみられた(補正後HR 1.59,95%CI 1.00-2.55,p=0.051)。
狭窄部位,当該イベントの種類(脳卒中またはTIA),当該イベント発症時の抗血栓薬の服用の有無は,同リスクに寄与していなかった。

●有害事象

文献: Kasner SE, et al; Warfarin Aspirin Symptomatic Intracranial Disease Trial Investigators. Predictors of ischemic stroke in the territory of a symptomatic intracranial arterial stenosis. Circulation 2006; 113: 555-63. pubmed
関連トライアル BAT, CHARISMA subgroup analysis, ESPRIT , Georgiadis D et al, 2009, Greater Cincinnati/Northern Kentucky Stroke Study, Koton S et al, MOST factor analysis, WASID, WASID antithrombotic failures, WATCH
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