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OASIS-5 Fifth Organization to Assess Strategies in Acute Ischemic Syndromes
結論 非ST上昇型急性冠症候群患者において,短期間(9日間)の虚血イベント抑制効果は,fondaparinuxとenoxaparinで同程度であったが,大出血および死亡/発症の抑制効果は短期-長期(30-180日間)ともfondaparinuxの方が高かった。

目的 非ST上昇型心筋梗塞(MI)または不安定狭心症の高リスク患者において,fondaparinuxの有効性と安全性をenoxaparinと比較。有効性の一次エンドポイント:9日の死亡+MI+難治性虚血。有効性の二次エンドポイント:30日または180日(試験終了まで)の死亡+MI,死亡+MI+難治性虚血,各要素。安全性の一次エンドポイント:9日の大出血。
デザイン ランダム化,二重盲検,ダブルダミー,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(576施設)。41ヵ国(北米,南米,オセアニア,アジア,ヨーロッパ,アフリカ)。
期間 追跡期間は90-180日。平均治療期間はfondaparinux群5.4日,enoxaparin群5.2日(最大8日)。
対象患者 20078例。以下の3項目のうち2つ以上に該当する患者:60歳以上,トロポニンまたはCK-MBの上昇,虚血を示す心電図上の変化。
【除外基準】最近の出血性脳卒中,急性冠症候群以外の抗凝固療法の適応,血清クレアチニン≧3mg/dLなど。
【患者背景】平均年齢はfondaparinux群66.6±10.8歳,enoxaparin群66.6±11.0歳。各群の男性62.0%,61.4%。MI既往両群25.7%。CABG/PCI歴20.1%,19.5%。脳卒中既往5.9%,6.5%。心不全既往13.9%,13.8%。高血圧既往67.4%,67.1%。
治療法 発症から24時間以内にfondaparinux群*1,enoxaparin群*2にランダム化。
*1:10057例。fondaparinux 2.5mg,1日1回皮下注+プラセボ1日2回皮下注。投与期間は退院まで,または最大8日間。経皮的冠動脈形成術(PCI)周術期は,fondaparinuxの最終投与がPCI前6時間以内ならfondaparinux 2.5mgのみを投与,6時間以前ならfondaparinux 2.5mg+GP IIb/IIIa受容体拮抗薬(GPI)またはfondaparinux 5.0mgのみを投与。
*2:10021例。enoxaparin 1mg/kg,1日2回皮下注(クレアチニン・クリアランス<30ml/分の症例は1日1回)+プラセボ1日1回皮下注。投与期間は症状が安定するまで,あるいは2-8日間。PCI周術期は,enoxaparinの最終投与がPCI前6時間以内なら抗凝固薬は追加投与せず,6時間以前なら未分画heparin(UFH)0.013ml/kg+GPIまたはUFH 0.02ml/kgのみを投与。
担当医の判断により標準的な治療を行い,PCI施行の場合は最低6時間前からclopidogrelおよびaspirin投与を推奨。
追跡完了率 生存に関する追跡完了率は99.9%。9日後の脱落はfondaparinux群7例,enoxaparin群5例。
【脱落理由】―
結果

●評価項目
9日の死亡+MI+難治性虚血はfondaparinux群579例(5.8%)と, enoxaparin群573例(5.7%)に対し非劣性が認められた(HR 1.01,95%CI 0.90-1.13,非劣性p=0.007)。9日の死亡+MIは409例(4.1%)vs 412例(4.1%)と,同様に非劣性が認められた(HR 0.99,95%CI 0.86-1.13,非劣性p=0.005)。
30日の死亡+MI+難治性虚血は8.0% vs 8.6%(HR 0.93,95%CI 0.84-1.02,p=0.13),死亡+MIは6.2% vs 6.8%(HR 0.90,95%CI 0.81-1.01,p=0.07)といずれもfondaparinux群にて低下傾向がみられた。内訳は死亡2.9% vs 3.5%(p=0.02),MI 3.9% vs 4.1%,難治性虚血2.2% vs 2.2%。
180日(試験終了時)の死亡+MI+難治性虚血は12.3% vs 13.2%(HR 0.93,95%CI 0.86-1.00,p=0.06),死亡+MIは10.5% vs 11.4%(HR 0.92,95%CI 0.84-1.00,p=0.05)といずれもfondaparinux群にて低下傾向がみられた。内訳は死亡5.8% vs 6.5%(p=0.05),MI 6.3% vs 6.6%,難治性虚血2.3% vs 2.4%。
9日の大出血は217例(2.2%)vs 412例(4.1%)とfondaparinux群にて抑制された(HR 0.52,95%CI 0.44-0.61,p<0.001)。大出血は30日,180日においても同様にfondaparinux群にて抑制された(30日:3.1% vs 5.0%,HR 0.62,95%CI 0.54-0.72,p<0.001,180日:4.3% vs 5.8%,HR 0.72,95%CI 0.64-0.82,p<0.001)。
9日の正味の転帰(死亡+MI+難治性虚血+大出血)は7.3% vs 9.0%とfondaparinux群にて抑制された(HR 0.81,95%CI 0.73-0.89,p<0.001)。30日,180日においても同様であった(30日後:10.2% vs 12.4%,HR 0.82,95%CI 0.75-0.89,p<0.001,180日後:15.0% vs 17.1%,HR 0.86,95%CI 0.81-0.93,p<0.001)。

●有害事象
[評価項目]に表記。

文献: Yusuf S, et al., Fifth Organization to Assess Strategies in Acute Ischemic Syndromes Investigators Comparison of fondaparinux and enoxaparin in acute coronary syndromes. N Engl J Med 2006; 354: 1464-76. pubmed
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