抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
OASIS-6 Organization for the assessment of strategies for ischemic syndromes
結論 ST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者において,特にprimary経皮的冠動脈形成術(PCI)非施行例では,fondaparinuxは出血および脳卒中を増加させることなく死亡および再梗塞を抑制した。

目的 STEMI患者において,fondaparinuxの早期投与(初期・発症8日目まで)の有効性と安全性を標準的な抗血栓療法と比較。有効性の一次エンドポイント:30日の死亡+再梗塞。有効性の二次エンドポイント:9日および試験終了時(3-6ヵ月後)の死亡+再梗塞。安全性のエンドポイント: 重篤な出血。
デザイン ランダム化,二重盲検,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(447施設)。41ヵ国(北米,南米,オセアニア,アジア,ヨーロッパ,アフリカ)。
期間 登録期間は2003年9月-2005年9月。試験期間は2003年9月-2006年1月。追跡期間は3-6ヵ月。
対象患者 12092例。発症から24時間以内(約4300例登録以降はCREATE試験[JAMA 2005;293:427-35]の結果にもとづき発症12時間以内とした)のSTEMI患者。
【除外基準】抗凝固療法の禁忌(出血の高リスクなど),経口抗凝固薬投与中,クレアチニン>3.0mg/dL。
【患者背景】平均年齢はfondaparinux群61.6±12.3歳,対照群61.5±12.2歳。各群の男性72.8%,71.9%。高血圧既往54.3%,54.6%。心不全既往14.0%,13.9%。MI既往12.8%,12.3%。脳卒中6.9%,6.4%。CABG/PCI歴両群3.9%。
治療法 未分画heparin(UFH)の適応により,stratum 1:適応なし(5658例),stratum 2:適応あり(6434例。フィブリン特異的血栓溶解薬投与例,血栓溶解療法不可/抗血栓療法可能例,primary PCI予定例)に層別化。
fondaparinux群(6036例[stratum 1:2823例,stratum 2:3213例]),対照群(6056例[stratum 1:2835例,stratum 2:3221例])にランダム化。
stratum 1ではfondaparinuxまたはプラセボ2.5mg/日を最大8日あるいは退院まで1日1回皮下注(初回は静注)。
stratum 2のprimary PCI予定例は,fondaparinux群では手技直前にボーラス静注(GP IIb/IIIa受容体拮抗薬[GPI]既使用例は2.5mg,未使用例は5.0mg)後,2.5mg/日を最大8日間あるいは退院まで皮下注。対照群は手技直前にUFHボーラス静注(GPI既投与例は最大65IU/kg,非投与例は最大100IU/kg。UFH既投与例ではAPTTに応じてheparin併用)。
stratum 2のprimary PCI非施行例は,fondaparinux群では5mg/日を最大8日あるいは退院まで1日1回皮下注(初回は静注),対照群ではUFH 60IU/kg(最大4000IU)ボーラス投与後,12IU/kg/時(ただし体重70kg超の症例に対する初期注入量は最大1000IU/時とし,APTT が治療域の1.5-2.0倍を維持するよう用量調整)を24-48時間静注。
他にグルコース・インスリン・カリウムのランダム化が行われたが,他試験で有効性が認められなかったため,2004年11月に中止された。
追跡完了率 退院時の追跡完了率は99.9%,30日後の追跡完了率は99.8%,試験終了時99.7%。
【脱落理由】退院時の辞退7例(intention-to-treat解析に含めず),追跡不能33例。
結果

●評価項目
30日の死亡+再梗塞はfondaparinux群585例(9.7%)と,対照群677例(11.2%)に比し抑制された(HR 0.86,95%CI 0.77-0.96,p=0.008,絶対リスク低下1.5%)。死亡(7.8% vs 8.9%,p=0.03),再梗塞(2.5% vs 3.0%,p=0.06)とも有意差が認められた。
さらに,死亡+再梗塞は9日(444例[7.4%]vs 537例[8.9%],HR 0.83,95%CI 0.73-0.94,p=0.003,絶対リスク低下1.5%),試験終了時(756例[13.4%]vs 857例[14.8%],HR 0.88,95%CI 0.79-0.97,p=0.008,絶対リスク低下1.5%)ともfondaparinux群にて抑制された。
9日の重篤な出血はfondaparinux群にて対照群に比し抑制傾向がみられ(61例[1.0%]vs 79例[1.3%],HR 0.77,p=0.13),うち心タンポナーデは有意差が認められた(0.5% vs 0.8%,p=0.02)。その他は同等であった;致死的出血0.6% vs 0.8%(p=0.13),頭蓋内出血0.2% vs 0.2%(p=0.82)。
死亡+再梗塞についてのfondaparinuxの有効性は,いずれの追跡時点においてもstratum 1と2で有意差はみられなかった(9日p=0.13,30日p=0.10,試験終了時p=0.88)。
死亡+再梗塞についてのfodaparinuxの有効性は,strarum 2のprimary PCI施行例ではいずれの追跡時点においてもみられなかったが,非施行例では試験終了時に認められた(試験終了時:14.9% vs 19.0%,HR 0.77,95%CI 0.64-0.93,p=0.008)。
30日の死亡+再梗塞についてのodaparinux群の有効性は,非再灌流療法例(fondaparinux群12.2% vs 対照群15.1%,HR 0.80,p=0.003),血栓溶解療法例(10.9% vs 13.6%,HR 0.79,p=0.003)でもみられた。

●有害事象
[評価項目]に表記。

文献: Yusuf S, et al., OASIS-6 Trial Group Effects of fondaparinux on mortality and reinfarction in patients with acute ST-segment elevation myocardial infarction: the OASIS-6 randomized trial. JAMA 2006; 295: 1519-30. pubmed
関連トライアル ACUITY bivalirudin, ACUITY GP IIb/IIIa inhibitors , AFTER, APOLLO, ARTEMIS, ATLAS ACS 2-TIMI 51 STEMI patients, ATLAS ACS-TIMI 46 , COMMIT, ExTRACT-TIMI 25, ExTRACT-TIMI 25 clopidogrel, ExTRACT-TIMI 25 PCI, Flurbiprofen French Trial, FRAMI, FRAX.I.S, FUTURA/OASIS-8, ISAR-REACT 3A, ISIS-2, Matisse Study, OASIS-5, OASIS-5 and 6, On-TIME 2 pooled analysis, OPTIMIST, PARIS-II, PCI-CLARITY, SWISSI II, SYNERGY, SYNERGY long-term outcomes, TAO, TIM
関連記事