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DURAC Duration of Anticoagulation 10 Years Follow-up
結論 静脈血栓塞栓症(VTE)初発10年後の検討では,再発率,死亡率とも高く,再発予防治療期間を6週間から6ヵ月に延長しても低下しなかった。

目的 VTE初発後の患者について,再発予防治療期間(6週間,6ヵ月)別に10年後の転帰を比較。
デザイン ランダム化,オープン。本論文はDURAC試験(N Engl J Med 1995;332:1661-5)の10年後の追跡についての検討。
セッティング 多施設(16施設)。スウェーデン。
期間 登録期間は1988年4月-1991年4月。追跡期間は10年。
対象患者 897例。静脈造影による下肢の深部静脈血栓症(DVT)(790例)または肺換気血流スキャンによる肺血栓塞栓症(PE)(107例)の初発患者。
【除外基準】ランダム化前の癌の診断,静脈性潰瘍の既往など。
治療法 未分画または低分子量heparinによる初期治療後,ビタミンK拮抗薬(warfarin/dicoumarol)による再発予防治療の期間を6週間群(443例)または6ヵ月群(454例)にランダム化。ビタミンK拮抗薬投与は国際標準比(INR)2.0-2.85を目標値とした。DVT患者には,個別に調整した段階的,圧迫ストッキングを1年以上使用するよう指示した。
追跡完了率 10年の追跡完了は545/897例。
【脱落理由】死亡262例,同側DVT再発65例,追跡不能16例など。
結果

●評価項目
血栓症後症候群(PTS)の徴候は307例(56.3%)にみられ,6週間群159例(39.2%),6ヵ月群148例(34.7%)と有意差は認められなかった(p=0.21)。多変量解析の結果,10年後にPTSを発症する独立危険因子は高齢(≧60歳)および1週間後(退院時)における循環障害の徴候であった。
血栓塞栓症の再発は261例(29.1%)にみられ,6週間群138例(31.2%),6ヵ月群123例(27.1%)と有意差は認められなかった(p=0.21)。1-6年後における再発率は6ヵ月群の方が6週間群に比し低かったが,その後は有意差がみられなかった。再発の大部分はPEの既往がある患者におけるPEで,DVTが初発イベントである患者より高かった(73% vs 20%,p<0.001)。
初発後10年間の死亡は256例(28.5%)で,6週間群127例(28.7%),6ヵ月群129例(28.4%)と有意差は認められなかった(p=0.99)。死亡率は標準化罹病率(SIR)により予測した1.43(95%CI 1.28-1.58)より高かったが,これは癌による死亡率(SIR 1.83;95%CI 1.44-2.23)または心筋梗塞/脳卒中による死亡率(SIR 1.28;95%CI 1.00-1.56)が高いことに起因する。

●有害事象
初発後2-8年間に7件の致死的出血が認められ,うち1例は心房細動により抗凝固薬投与を再開した患者であった。

文献: Schulman S, et al. Post-thrombotic syndrome, recurrence, and death 10 years after the first episode of venous thromboembolism treated with warfarin for 6 weeks or 6 months. J Thromb Haemost 2006; 4: 734-42. pubmed
関連トライアル AMADEUS, ELATE post-thrombotic syndrome, González-Fajardo JA et al, Home-LITE, Main-LITE, Poli D et al, PREPIC, PREVENT gender , van Gogh Studies prophylaxis
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