抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
SPORTIF risk of bleeding
結論 非弁膜症性心房細動(NVAF)患者において,ximelagatranはwarfarinに比し出血リスクが低かった。両治療共通の出血の危険因子は,aspirinの使用と75歳以上であった。

目的 NVAF患者において,ximelagatranとwarfarinによる出血率,致死率,出血の部位,および出血の危険因子を検証。一次エンドポイント:出血(全出血[大/小出血],大出血,脳内出血)。
デザイン 本論文はSPORTIF III(オープンラベル)とSPORTIF V(二重盲検)の出血リスクに関する統合解析。
セッティング
期間 治療期間中央値は,SPORTIF III 17.7ヵ月(最長25ヵ月),SPORTIF V 17.8ヵ月(最長31ヵ月)。
対象患者 7329例。心電図所見で持続性/発作性NVAFが2回以上(うち1回はランダム化の2週間前以内)認められ,脳卒中の危険因子(高血圧,75歳以上,脳卒中/TIA/全身性塞栓の既往,左室機能不全[LVEF<40%または症候性うっ血性心不全],65歳以上で冠動脈疾患または糖尿病)を1つ以上有する18歳以上の患者。
【除外基準】僧帽弁狭窄,心臓弁膜手術歴,可逆的障害による一過性AF,重篤な腎不全(クレアチニン・クリアランス<30mL/分),活動性肝炎または肝酵素が正常値上限の2倍以上など。
【患者背景】年齢は,<65歳:ximelagatran群21% vs warfarin群22%,65-75歳:40% vs 40%,>75歳:39% vs 38%。
治療法 ximelagatran群(3664例。36mg,1日2回),warfarin(3665例。INR 2.0-3.0を維持するよう投与量を調節)を比較。
aspirinは100mg/日まで許可したが,その他の抗血栓症薬は禁止。非ステロイド性抗炎症薬の断続的投与は許可。
追跡完了率
結果

●評価項目
全出血はximelagatran群31.75%/年(95%CI 29.97-33.54) vs warfarin群38.82%/年(95%CI 36.82-40.81),相対リスク減少は18.2%(95%CI 13.0-23.1)(p<0.001)であった。大出血は2.01%/年(95%CI 1.61-2.41) vs 2.68%/年(95%CI 2.23-3.13),相対リスク減少は25.1%(95%CI 3.2-42.1)(p=0.03)であった。24ヵ月後の大出血の累積発生率は3.7% vs 4.7%(p=0.04),脳内出血は0.12%/年(95%CI 0.03-0.22)vs 0.19%/年(95%CI 0.08-0.31)(p=0.35)。
出血による致死率は,大出血で8.16%(95%CI 3.59-15.4) vs 8.09%(95%CI 4.11-14.0)(p=0.98),脳内出血で71.4%(95%CI 29.0-96.3) vs 45.4%(95%CI 16.8-76.6)(p=0.37)。
出血の部位は両群で同程度であった(消化管44例 vs 46例など)。
ximelagatran群における出血の危険因子は,糖尿病(ハザード比[HR] 1.81,95%CI 1.19-2.77,p=0.006),脳卒中/TIA既往(HR 1.78,95%CI 1.16-2.73,p=0.008),75歳以上(HR 1.70,95%CI 1.33-2.18,p<0.001),aspirinの使用(HR 1.68,95%CI 1.08-2.59,p=0.02)であった。
warfarin群における出血の危険因子は,肝疾患既往(HR 4.88,95%CI 1.55-15.39,p=0.007),aspirinの使用(HR 2.41,95%CI 1.69-3.43,p<0.001),75歳以上(HR 1.26,95%CI 1.03-1.52,p=0.02)であった。

●有害事象
[評価項目]に表記あり。

文献: Douketis JD, et al. Comparison of bleeding in patients with nonvalvular atrial fibrillation treated with ximelagatran or warfarin: assessment of incidence, case-fatality rate, time course and sites of bleeding, and risk factors for bleeding. Arch Intern Med 2006; 166: 853-9. pubmed
関連トライアル ACS後の心房細動患者におけるwarfarin使用と転帰, AFASAK 2 1999, AMADEUS, ARISTOTLE, BAATAF, EXULT A, Hylek EM et al, JNAF-ESP, NASPEAF, Pearce LA et al, Pengo V et al, Poli D et al, PROTECT AF, RE-LY, RE-LY risk of bleeding, ROCKET AF, SIFA, SPAF, SPAF I-III 1999, SPAF II 1996, SPAF III 1996, SPAF III 1998, SPORTIF elderly patients, SPORTIF hypertension, SPORTIF II , SPORTIF III, SPORTIF INR control, SPORTIF pooled analysis, SPORTIF V, THRIVE, THRIVE III, warfarinによるNVAF患者の脳卒中予防, 心房細動患者の脳卒中予防におけるwarfarinの心筋梗塞保護効果, 脳卒中/TIA既往を有する心房細動患者における新規抗凝固薬
関連記事