抗血栓トライアルデータベース
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ESPRIT 2006 European/Australasian Stroke Prevention in Reversible Ischaemia Trial
結論 本試験とこれまでの試験からなる新規メタ解析により,動脈由来の虚血性脳卒中後の抗血栓治療としてaspirin+dipyridamole併用投与がaspirin単独投与より有効であることが示唆された。

目的 虚血性脳卒中後の二次予防効果を,抗血小板薬aspirin+冠拡張薬dipyridamole併用投与とaspirin単独投与とで比較。一次エンドポイント:全血管死+非致死的脳卒中+非致死的心筋梗塞+大出血合併症の初発。
デザイン ランダム化,オープン,非盲検,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(79施設)。14ヵ国。
期間 平均追跡期間は3.5±2.0年。実施期間は1997年7月1日-2005年12月31日。
対象患者 2739例。6ヵ月以内に脳虚血発作(TIA)または動脈由来と思われる虚血性軽症脳卒中(modified Rankin Score[mRS]≦3)を発症した患者。
【除外基準】心原性塞栓(心電図上の心房細動の所見,心臓弁膜症,最近の心筋梗塞発症),頸動脈血管内膜除去術あるいは血管内治療を予定している高度の頸動脈狭窄を有する虚血性脳卒中,血液凝固障害,aspirin もしくはdipyridamole禁忌,末期患者。
【患者背景】平均年齢は両群とも63±11歳。
治療法 aspirin 30-325mg/日+dipyridamole 200mg,1日2回投与群(1363例;aspirin+dipyridamole群)とaspirin 30-325mg/日投与群(1376例;aspirin単独群)にランダム化。
両群ともaspirin投与量(中央値)は75mg。aspirin+dipyridamole群のうち1131例(83%)には長期作用型dipyridamoleを投与。
追跡完了率 投与中止例はaspirin+dipyridamole群470例(34%),aspirin単独群184例(13%)。
【脱落理由】頭痛(aspirin+dipyridamole群の主な理由),新規のTIA,脳卒中,経口抗凝固薬適応(aspirin単独群の主な理由)。
結果

●評価項目
一次エンドポイント発症はaspirin+dipyridamole群173例(13%),aspirin単独群216例(16%)で,aspirin+dipyridamole群のハザード比は0.80(95%CI 0.66-0.98)。絶対リスク低下は1.0%/年(95%CI 0.1-1.8)で,aspirin単独群と比してaspirin+dipyridamole群の一次エンドポイントを1例予防するための治療必要数は104例/年(95%CI 55-1006)であった。
これまで実施された試験のメタ解析に本試験結果を加えると(aspirin+dipyridamole群3888例,aspirin単独群3907例),血管死+非致死的脳卒中+非致死的心筋梗塞の複合の併用群のリスク比は0.82(95%CI 0.74-0.91)。

●有害事象
重篤な出血はaspirin+dipyridamole群35例,aspirin単独群53例,軽度出血はaspirin+dipyridamole群171例,aspirin単独群168例に認められた。

文献: Halkes PH, et al; ESPRIT Study Group. Aspirin plus dipyridamole versus aspirin alone after cerebral ischaemia of arterial origin (ESPRIT): randomised controlled trial. Lancet 2006; 367: 1665-73. pubmed
関連トライアル CAST, EARLY, ESPRIT , ESPS-2 1996, JASAP, MATCH, PERFORM, Pfisterer M et al, 脳卒中/TIA既往患者におけるaspirin+dipyridamole併用とaspirin単独投与の比較
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