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J-ACT Japan Alteplase Clinical Trial
結論 alteplaseを0.6mg/kg投与した日本人患者における転帰および症候性頭蓋内出血(sICH)の発症率は,過去の0.9mg/kg投与の結果とほぼ同等であったことから,日本人患者におけるalteplase 0.6mg/kg投与の有効性と安全性は,北米やEUで報告されている0.9mg/kg投与のデータとほぼ等しいであろうことが示唆された。

目的 急性虚血性脳卒中を発症した日本人患者におけるalteplase 0.6mg/kg投与の有効性と安全性を0.9mg/kg投与と比較(メタ解析)。有効性の一次エンドポイント:発症3ヵ月後の予後良好例(modified Rankin Score[mRS]0-1)の割合,有効性の二次エンドポイント:発症3ヵ月後のBarthel Index(BI)が95-100,発症24時間後のNational Institute of Health stroke scale(NIHSS)スコアが4点以上改善または0に減少。安全性の一次エンドポイント:治療開始36時間以内のsICH発症率。
デザイン 単一治療群,オープンラベル。
セッティング 多施設(22施設)。日本。
期間 試験期間は2002年4月-2003年9月。追跡期間は最大3ヵ月。
対象患者 103例。急性虚血性脳卒中を発症した日本人患者。基準は NINDS試験(N Engl J Med 1995; 333: 1581-7)に同じ。
【除外基準】NINDS試験と同じ基準,ベースラインのNIHSSスコア≦4,CTによる初期虚血変化の著明な所見(中大脳動脈領域の1/3超が侵されている),昏睡状態,脳卒中発症前のmRS≧2。
【患者背景】平均年齢は70.9±9.8歳。
治療法 脳卒中発症後3時間以内に全例にalteplase 0.6mg/kg(60mg以下)静注投与(10%をボーラス投与後,残りを1時間にわたり持続投与)。
発症後24時間は抗血栓薬の服用を禁止,血圧を<180/105mmHgに維持,神経学的症候を頻繁にモニタリング。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
有効性の一次エンドポイントは36.9%に認められ,想定の基準値33.9%より高値であった。
発症3ヵ月後のBI が95-100となった例は48.5%と,NINDS試験の組み換え組織プラスミノーゲン活性化因子[rt-PA]群50%と同程度で,同試験のプラセボ群38%より高値であった。
発症24時間後のNIHSSが4点以上改善または0に減少した例は49.5%と,NINDS試験のrt-PA群47%とほぼ同程度で,同試験のプラセボ群39%より高値であった。
安全性の一次エンドポイントは5.8%(6例;血腫4例,出血性梗塞形成2例)で認められ,想定の基準値9.6%より低値,NINDS試験のrt-PA群6.4%とほぼ同程度で,プラセボ群0.6%より高値であった。

●有害事象
sICHによる死亡2例(脳卒中発症後24時間以内の死亡1例,3日後の死亡1例)。脳卒中発症後10日以内の出血性梗塞形成26例(25.2%),血腫12例(11.7%,うち正中構造の偏位9例)。無症候性ICHは治療開始36時間以内で17%,10日以内で31%。脳卒中発症後90日以内の死亡は10例(9.7%)で過去のrt-PA治療例(10-17%)よりやや低値であった。

文献: Yamaguchi T, et al; Japan Alteplase Clinical Trial (J-ACT) Group. Alteplase at 0.6 mg/kg for acute ischemic stroke within 3 hours of onset: Japan Alteplase Clinical Trial (J-ACT). Stroke 2006; 37: 1810-5. pubmed
関連トライアル Bravo Y et al, ECASS, ECASS III, ECASS III additional outcomes, EPITHET, IPSS use of alteplase, IST-3, J-MARS, Mattle HP et al, MELT Japan, NINDS rt-PA Stroke Study 1995, RECANALISE, SAINT postthrombolysis ICH, SAMURAI, SAMURAI CT versus DWI, SAMURAI DWI-ASPECTS, SAMURAI rt-PA Registry early neurological deterioration, SAMURAI rtPA Registry SITS-MOST criteria, Saqqur M et al, Sarikaya H et al, Schellinger PD et al, SITS-ISTR, SITS-ISTR elderly, SITS-ISTR young patients, SITS-MOST, SITS-MOST multivariable analysis, SUMO, Toni D et al, Tsivgoulis G et al, TTT-AIS, 血栓溶解療法後の頭蓋内出血, 発症からalteplase静注までの時間と転帰
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