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Rasmussen MS et al Prolonged prophylaxis with dalteparin to prevent late thromboembolic complications in patients undergoing major abdominal surgery: a multicenter randomized open-label study
結論 腹部の大手術を受けた患者にdalteparin 5000IU/日を4週間投与した結果,1週間投与した患者と比較して,出血のリスク増加を伴わずに静脈血栓塞栓症の発症率が有意に低下した。

目的 腹部の大手術を受けた患者に低分子量heparin(dalteparin)を28日間投与した場合と,7日間投与した場合の血栓予防効果と安全性を比較する。有効性の一次エンドポイント:術後7-28日間における静脈血栓塞栓症発症率。安全性の一次エンドポイント:術後7-28日間における出血の発生率。
デザイン ランダム化,オープンラベル(評価者のみ盲検),intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(5施設)。2ヵ国(デンマーク,ノルウェー)。
期間 登録期間は1997年1月-2003年6月。追跡期間は3ヵ月。
対象患者 427例(intention-to-treat解析例は343例)。18歳以上の腹部大手術実施予定入院患者。
【除外基準】重篤な末梢動脈機能不全,妊娠中,酸性硫酸塩に対するアレルギー,肝機能障害,3ヵ月以内の急性脳卒中,1ヵ月以内の消化管出血,出血性素因,抗凝固療法(heparin,ビタミンK拮抗薬を含む,ただし抗血小板療法は除く),dextran療法,精神病,重篤な認知症。
【患者背景】年齢中央値は短期投与群67歳(範囲22-93歳),長期投与群67歳(範囲25-91歳)。
治療法 腹部手術予定患者にdalteparin 5000 IU/日の皮下注と段階的圧迫ストッキングによる標準的血栓予防療法を7日間実施。dalteparinの初回投与は手術前夜,または手術2時間前と手術12時間後に各回2500 IUを投与。
その後,dalteparin投与中止群(短期投与群178例)またはdalteparin 5000 IUを,さらに21日間 dalteparin 5000 IUを皮下注する群(長期投与群165例)にランダム化。
28日目に両側静脈造影を実施。
追跡完了率 短期投与群80.2%,長期投与群80.5%。
【脱落理由】静脈造影拒否,不適当な静脈造影,経口抗凝固療法,転居,死亡(剖検せず)。
結果

●評価項目
術後7-28日間における静脈血栓塞栓症の累積発症率は短期投与群16.3%,長期投与群7.3%であった(相対リスク低下率55%,95%CI 15-76,p=0.012)。静脈血栓塞栓症1件の発症予防に必要な治療必要人数は12例(95%CI 7-44)。
術後7-28日間における出血の発生率は,短期投与群と比較して長期投与群で増加しなかった。大出血の発生率は短期投与群1.8%,長期投与群0.5%で,いずれも内視鏡検査により上部消化管出血と診断された。小出血の発生率は0.9% vs 1.5%であった。注射部位の血腫が長期投与群で9.3%にみられたが,短期投与群ではみられなかった。heparin誘発性の血小板減少症の発症はなかった。試験中の死亡は4.5% vs 長期投与群7.8%(p=0.3)で,静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症はみられず,失血死も認められなかった。追跡期間中の死亡は7例 vs 4例であったが,試験薬との関連性はなかった。

●有害事象
[評価項目]に表記あり。

文献: Rasmussen MS, et al. on behalf of the FAME Investigators. Prolonged prophylaxis with dalteparin to prevent late thromboembolic complications in patients undergoing major abdominal surgery: a multicenter randomized open-label study. J Thromb Haemost 2006; 4: 2384-90. pubmed
関連トライアル APOLLO, APROPOS, DRIVE, FIDO, ODIXa-HIP, ODIXa-OD-HIP, PREVENT 2004, RECORD2, RIETE
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