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Palareti G et al D-dimer testing to determine the duration of anticoagulation therapy
結論 抗凝固薬投与を1ヵ月間中断しDダイマー濃度の異常が認められた特発性静脈血栓塞栓の初回発症患者のうち,投与を再開した患者は投与を中止した患者に比してVTEの再発+出血の複合が有意に低下した。Dダイマー濃度正常患者における至適投与期間は確立できなかった。

目的 ビタミンK拮抗薬の投与再開効果をDダイマー濃度異常例および正常例において比較。エンドポイント:静脈血栓塞栓(VTE)の再発+重篤な出血。
デザイン ランダム化(Dダイマー濃度異常例のみ),非盲検,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(30施設)。
期間 登録期間は2002年9月13日-2005年1月31日。追跡期間は18ヵ月(平均1.4年)。
対象患者 608例。18-85歳。特に誘因なく初めて症候性のVTE(肺血栓塞栓かつ/または下肢の近位深部静脈血栓)を発症し,ビタミンK拮抗薬(warfarinまたはacenocoumarol,国際標準比[INR]2.0-3.0)を3ヵ月以上投与した後,1ヵ月間の休薬期間中に再発しなかった患者。
治療法 抗凝固薬および他の抗血栓薬を1ヵ月間休薬した後,Dダイマー測定および血栓症素因試験を実施。Dダイマー濃度正常例(385例:Dダイマー正常群)には抗凝固薬投与を再開せず,異常例はビタミンK拮抗薬(INR 2.0-3.0)の投与を再開する例(103例:投与再開群)と再開しない例(120例:投与中止群)にランダム化。
追跡完了率 18ヵ月後の追跡完了は421例(69.2%)。
【脱落理由】表在静脈血栓9例,虚血性心疾患2例(うち死亡1例),癌3例(うち死亡2例),深部静脈血栓再発の疑い2例,脳卒中1例,孤発性末梢深部静脈血栓1例など。
結果

●評価項目
エンドポイントは投与中止群18例(15.0%,10.9イベント/100例・年),投与再開群3例(2.9%,2.0イベント/100例・年)に認められ,投与再開群にて有意に低下し(p=0.007),患者背景により補正したハザード比は4.26であった(95%CI 1.23-14.6,p=0.02)。Dダイマー正常群では24例(6.2%,4.4イベント/100例・年)のエンドポイントが認められ,投与中止群に比し有意に低値で(p=0.003),補正ハザード比は2.27であった(95%CI 1.15-4.46,p=0.02)。Dダイマー正常群と投与再開群では,エンドポイントに有意な差は認めなかった。

●有害事象
VTEの再発または出血イベントによる死亡はみられなかった。

文献: Palareti G, et al., PROLONG Investigators D-dimer testing to determine the duration of anticoagulation therapy. N Engl J Med 2006; 355: 1780-9. pubmed
関連トライアル Campbell IA et al, Crowther MA et al, EINSTEIN-DVT and EINSTEIN-Extension, ELATE, Palla A et al, Poli D et al, PREVENT 2003, REVERSE, REVERSE PTS substudy, Sadanaga T et al, THRIVE, van Gogh Studies, van Gogh Studies prophylaxis, VTE再発予防療法の至適期間, WARFASA, Witt DM et al
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