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BASKET-LATE Basel Stent Kosten-Effektivitats Trial-Late Thrombotic Events
結論 ステント留置の6ヵ月後にclopidogrelの投与を中止後,薬剤溶出ステント(DES)植込み実施群ではベアメタルステント(BMS)植込み実施群に比し,標的血管血行再建術(TVR)抑制効果は維持されたが,晩期ステント血栓に関連すると思われる心臓死+非致死的心筋梗塞(MI)は増加した。

目的 DESまたはBMSを実施した患者における,clopidogrel投与中止後の晩期臨床イベント,および後期ステント血栓の頻度を比較。
デザイン ランダム化。
セッティング 多施設(5施設)。スイス。本論文はBASKET試験の晩期結果を検討。
期間 全追跡期間は18ヵ月。晩期追跡期間は12ヵ月(施術7-18ヵ月後)。
対象患者 743例。2003年5月5日-2004年5月31日にUniversity Hospital of Baselにて経皮的冠動脈形成術(PCI)およびステント植込みを施行された連続患者(BASKET試験に登録)のうち,非致死的MIの発症,TVRの再施行なしに施術6ヵ月後に生存していた患者。
【除外基準】標的血管径≧4mm,再狭窄病変など。
【患者背景】平均年齢はDES群63.6±11.3歳,BMS群63.5±10.8歳。
治療法 paclitaxel溶出ステントまたはsirolimus溶出ステント実施群(499例;DES群)と,第3世代コバルトクロム性BMS実施群(244例;BMS群)にランダム化。
全例に,周術期はaspirin 250-500mg/日を静注または経口+clopidogrel 300mg/日を経口投与,術後6ヵ月間はaspirin 100mg/日+clopidogrel 75mg/日を投与,かつstatinを長期投与。必要に応じてGP IIb/IIIa受容体阻害薬を投与。晩期追跡期間中は全例でclopidogrel投与を中止し,aspirin 100mg/日を投与。
追跡完了率 生存に関する追跡完了率は99.6%(743/746例)。全イベントに関する追跡完了率は98.3%(733/746例)。
【脱落理由】転居(3例,解析に含めず),追跡期間の質問拒否(10例,解析に含む)。
結果

●評価項目
再狭窄に関連したTVR施行率は,全追跡期間でDES群7.5% vs BMS群11.6%とDES群にて低く(p=0.04),clopidogrel投与中止後(晩期追跡期間)も4.5% vs 6.7%とDES群にて低下傾向がみられた。
心臓死+非致死的MIは全追跡期間で8.4% vs 7.5%と群間差はみられなかったが(p=0.63),clopidogrel投与中止後は4.9% vs 1.3%とDES群にて多かった。
結果,clopidogrel投与中止後の全臨床イベント(心臓死+非致死的MI+再狭窄に関連するTVR)は9.3% vs 7.9%で両群とも同程度となった。

●有害事象
晩期ステント血栓および関連イベントは心臓死(3例,うち1例が晩期ステント血栓の診断),標的血管によるMI(11例,うち8例が晩期ステント血栓の診断),狭心痛の増悪はあるが梗塞を伴わない血栓性狭窄(2例,血管造影法により診断)が認められ,これらの複合イベントはDES群でBMS群の2倍となった(2.6% vs 1.3%)。心臓突然死+標的血管のMI(14/16例,88%)の発症時期中央値はclopidogrel投与中止後116日(範囲15-362日)であった。

文献: Pfisterer M, et al. and BASKET-LATE Investigators. Late clinical events after clopidogrel discontinuation may limit the benefit of drug-eluting stents: an observational study of drug-eluting versus bare-metal stents. J Am Coll Cardiol 2006; 48: 2584-91. pubmed
関連トライアル Berger PB et al 1999, EVENT, Migliorini A et al, Müller C et al, SPIRIT III, TRITON-TIMI 38 PCI
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