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CURE Clopidogrel in Unstable Angina to Prevent Recurrent Events
結論 抗血小板薬clopidogrelはST上昇のない急性冠症候群(ACS)患者において有効である。一方,clopidogrel投与は大出血のリスクを高める。

目的 ST上昇を伴わない急性冠症候群(ACS)において,抗血小板薬aspirin+clopidogrel併用療法の早期および長期投与の有効性と安全性を検討。
第1一次エンドポイント:心血管死+非致死性心筋梗塞(MI)+脳卒中の複合。第2一次エンドポイント:第1一次エンドポイント+難治性虚血の再発。二次エンドポイント:重症虚血,心不全,再血行再建術の必要性。安全性は出血性合併症(生命にかかわる出血,大出血:2単位以上の輸血が必要,小出血)で評価。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(28ヵ国,482施設)。
アルゼンチン,オーストラリア,オーストリア,ベルギー,ブラジル,カナダ,チェコ,デンマーク,フィンランド,フランス,ドイツ,ギリシャ,ハンガリー,アイルランド,イスラエル,イタリア,メキシコ,オランダ,ニュージーランド,ノルウェー,ポーランド,ポルトガル,南アフリカ,スペイン,スウェーデン,スイス,アメリカ,イギリス。
期間 追跡期間は12ヵ月。登録期間は1998年12月~2000年9月。
対象患者 12,562例。平均年齢64歳。発症後24時間以内の入院患者。
当初は60歳以上で心電図上の変化が認められなくとも冠動脈疾患の既往を有していれば対象としたが,最初の3,000例におけるイベント発生率を見直した後,安全委員会はECG変化あるいは心筋酵素の上昇症例のみの登録を推奨した。
【除外基準】抗血栓療法または抗血小板療法に禁忌,出血高リスクまたは重症心不全,経口抗凝固薬服用例,過去3ヵ月以内の血行再建術施行,過去3日以内の血小板GP IIb/IIIa受容体拮抗薬の静注歴。
治療法 clopidogrel投与群(6,259例):初回のみ300mgを経口投与後,75mg/日継続投与,プラセボ群(6,303例)にランダム化。治療期間は3~12ヵ月(平均9ヵ月)。
全例にaspirin 75~325mg/日(推奨投与量)を試験薬投与と同時に投与開始,すでに投与を受けている例では継続投与。
追跡完了率 試験薬投与中止例はclopidogrel群21.1%,プラセボ群18.8%(両群あわせて19.9%)。
【脱落理由】表記なし。
結果

●評価項目
第1一次エンドポイント発生は,clopidogrel群582例(9.3%),プラセボ群719例(11.4%)とclopidogrel群で有意に抑制された(相対リスク0.80,95%CI 0.72-0.90,p<0.001)。第2一次エンドポイントもclopidogrel群で有意に減少(16.5% vs 18.8%,相対リスク0.86,95%CI 0.79-0.94,p<0.001)。各エンドポイント発生率もclopidogrel群で低い傾向が認められた。また,入院中の各イベント発生率もclopidogrel群で有意に抑制された[入院中の難治性虚血:clopidogrel群1.4% vs プラセボ群2.0%(相対リスク0.68,p=0.007),重篤な虚血:2.8% vs 3.8%(0.74,p=0.003),再血行再建術:20.8% vs 22.7%(0.92,p=0.03),心不全:3.7% vs 4.4%(0.82,p=0.026)]。

●有害事象
大出血の発生率はclopidogrel群で有意に高かったが(3.7% vs 2.7%,相対リスク1.38,p=0.001),生命にかかわる出血(2.2% vs 1.8%,1.21,p=0.13)および脳卒中の発生率に有意差は認められなかった。大出血の発生は,消化管および動脈穿刺部位で多かった。軽度の出血の発生率は,clopidogrel群で有意に高かった(5.1% vs 2.4%,2.12,p<0.001)。一方,血小板減少症(clopidogrel群26例 vs プラセボ群28例),好中球減少症(8例 vs 5例)の発生は両群で同等であった。

文献: [main] The Clopidogrel in Unstable Angina to Prevent Recurrent Events Trial Investigators. Effects of clopidogrel in addition to aspirin in patients with acute coronary syndromes without ST-segment elevation. N Engl J Med 2001; 345: 494-502. pubmed
関連トライアル 3T/2R, ACTIVE A, APPRAISE, CAPRIE 1996, CASPAR , Chan FK et al, CHANCE, CHARISMA, CHARISMA bleeding complications, CLARITY-TIMI 28, CLASSICS, COGENT, COMMIT, CREDO, ECLAP, EXPRESS risk of bleeding, ExTRACT-TIMI 25 clopidogrel, ICTUS, MATCH, Mishkel GJ et al, MSPIRG, ONSET/OFFSET dyspnea, PCI-CLARITY, PCI-CURE, PLATO, PLATO invasive strategy, POISE-2, PRISM-PLUS 1998, PURSUIT 1998, SPS3, TASS 1989, TOSS-2, TRA 2P-TIMI 50, TRACER, TRILOGY ACS, TRITON-TIMI 38, Turpie AG et al 1993, WAVE, WHS
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