抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
SPAF I-III 1999 Stroke Prevention in Atrial Fibrillation I-III
結論 aspirin投与を受けている心房細動(AF)患者において,脳梗塞の発症リスクの予測は可能であることが示唆されたが,臨床上での実践の前に,本試験でのリスク因子層別化の妥当性を確認する必要がある。また,適度なアルコール摂取と閉経後のestrogen補充療法は脳卒中リスクに影響をおよぼす可能性が示されたが,さらなる検討が必要とされる。

目的 aspirinを投与している非弁膜症性心房細動(NVAF)患者において,脳梗塞発症に影響をおよぼすリスク因子を検討。
デザイン ランダム化。
セッティング 多施設(25施設)。
期間 追跡期間は平均2年(2日~5.3年)。
対象患者 2,012例。平均年齢69歳。女性28%。SPAF I Trial:521例(1985~1989年),II:309例(1989~1992年),III:1,182例(1993~1997年)。持続性または再発性のAF患者。SPAF I-III登録患者のうち,aspirin腸溶錠 325mg/日投与例,およびSPAF IIIにおけるaspirin+低用量・用量固定warfarin(平均2.1mg/日:INR≦1.4)投与例。僧帽弁狭窄症を有さず,人工心臓弁置換術の施行歴のない症例。
【除外基準】lone AF患者で年齢<60歳。
治療法 aspirin腸溶錠 325mg/日投与例,およびaspirin+低用量・用量固定warfarin投与例において検討。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
脳梗塞発症は130例。脳卒中リスクの増加に影響をおよぼす独立した因子は,年齢(相対リスク1.8/10年,p<0.001),女性(1.6,p=0.01),高血圧症の既往(2.0,p<0.001),SBP>160mmHg(2.3,p<0.001),脳卒中または一過性脳虚血発作(TIA)既往(2.9,p<0.001)であった。アルコール含有飲料の摂取(≧14回/週)症例では,0~13回/週の症例に比し脳卒中リスクが低下したが(0.4,p=0.04),7~13回/週 vs 0回/週では差はみられなかった(0.8,p=0.6)。また,SPAF IIIにおけるestrogen補充療法実施例(3.2,p=0.007)と中等度~重度の高血圧症例(4.8,p<0.001)で脳梗塞の発症リスクが高かった。
独立した脳卒中リスク因子により,脳卒中およびTIAの非既往患者1,853例を低リスク(41%),中等度リスク(37%),高リスク(22%)に層別化したところ,脳梗塞の年間発症率に有意差が認められ(各0.9%/年,2.6%/年,7.1%/年,p<0.001),重度(致死性/障害を伴う)脳梗塞に関しても同様の結果が得られた(各0.3%/年,1.6%/年,5.2%/年,p<0.001)。年齢以外は低リスクである>75歳の女性において,脳卒中発症リスクは同年代の男性に比し高かった(7.8%/年 vs 1.2%/年,p=0.002)。

●有害事象
表記なし。

文献: [substudy] Hart RG, et al on behalf of the Stroke Prevention in Atrial Fibrillation (SPAF) Investigators. Factors associated with ischemic stroke during aspirin therapy in atrial fibrillation: analysis of 2012 participants in the SPAF I-III clinical trials. Stroke 1999; 30: 1223-9. pubmed
関連トライアル ACTIVE W CHADS2 score, AFASAK 2 1999, BAATAF, Hart RG et al, Hylek EM et al, IST 2001, JAST, JNAF-ESP, NABOR, Pearce LA et al, Roldan V et al, SPAF, SPAF I-III 2000, SPAF I-III 2000, SPAF II 1994, SPAF II 1996, SPAF III 1996, SPAF III 1998, SPAF III 1998, SPORTIF risk of bleeding, van Walraven C et al, warfarinによるNVAF患者の脳卒中予防
関連記事