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BAATAF Boston Area Anticoagulation Trial for Atrial Fibrillation
結論 非リウマチ性心房細動(AF)患者への長期warfarin療法は,脳卒中の抑制に非常に有効であり,かつ十分なモニタリングにより安全性も保たれることが示された。

目的 非リウマチ性心房細動(AF)患者において,抗凝固薬warfarin低用量の長期投与による脳卒中予防のリスクとベネフィットを検討。
一次エンドポイント:脳梗塞。
デザイン ランダム化,オープン,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設。アメリカ。
期間 追跡期間は平均2.3年。登録期間は1985年9月~1989年6月。
対象患者 420例。平均年齢68歳。男性72%。僧帽弁狭窄のないことが明らかな,持続性または発作性の慢性AF患者。
【除外基準】肺炎などの急性疾患による一過性のAF,電気的除細動の施行予定例。心電図所見による心腔内血栓,左室動脈瘤,重篤なうっ血性心不全または人工心臓弁疾患,過去6ヵ月以内の脳卒中の既往,治療を必要とする一過性脳虚血発作の既往,頭蓋内出血の危険性,抗凝固療法への明らかな適応(血栓性静脈炎など)または禁忌(消化性潰瘍または肝疾患など),aspirin投与の必要性など。
治療法 warfarin投与群(212例)と対照群(208例)にランダム化(登録時の場所,持続性または発作性AF,AFの期間:≦1年または>1年の3つの因子によりブロック化割付け)。
warfarin群:プロトロンビン時間比を対照値の1.2~1.5倍(INR 1.5-2.7)となるよう投与量を決定(平均投与量29.7mg/週)。warfarin群にはaspirin服用を避けるよう指示。対照群ではaspirin投与を許可(warfarinは不許可)。
追跡完了率 エンドポイントに関する追跡完了率は100%。
結果

●評価項目
(warfarin投与による有効性が明らかにされたことから,1990年4月13日,データモニター委員会により本試験は早期に中止された。)
warfarin投与開始直後の4週間を除き,プロトロンビン時間は試験期間の83%で目標範囲内に維持された。warfarin群において21例(10%)が投与中止。
脳梗塞はwarfarin群で2例(0.41%/年),対照群で13例(2.98%/年)とwarfarin群でリスクが86%(95%CI 51-96%)低下した(リスク比0.14,95%CI 0.04-0.49,p=0.0022)。頭蓋内出血は両群で認められず,致死性脳梗塞は対照群で1例。ベースライン時の患者背景と脳卒中発症の関連性の検討では,年齢(p=0.006,特に<60歳:p=0.02)と僧帽弁輪石灰化(p=0.003)は有意に発症と関連していた。
総死亡は37例。死亡率は,warfarin群2.25%/年,対照群では5.97%/年とwarfarin群で有意に抑制された(発症比0.38,95%CI 0.17-0.82,p=0.005)。

●有害事象
大出血の発生は3例(warfarin群2例,対照群1例)。その他の大出血は各群1例(warfarin群:非致死性消化管出血,対照群:致死性肺出血)。致死性出血は各群1例(warfarin群では頭蓋内出血1例)。軽度の出血の発生は,warfarin群38例,対照群21例とwarfarin群で高かった(リスク比1.62,95%CI 0.95-2.74)。入院または輸血を要する出血の発生頻度は,両群でほぼ同等であった(warfarin群:各4例,2例,対照群:各6例,1例)。

文献: [main] The Boston Area Anticoagulation Trial for Atrial Fibrillation Investigators. The effect of low-dose warfarin on the risk of stroke in patients with nonrheumatic atrial fibrillation. N Engl J Med 1990; 323: 1505-11. pubmed
関連トライアル ACTIVE W CHADS2 score, AFASAK 2 1999, ARISTOTLE, ARISTOTLE-J, AVERROES, Copenhagen AFASAK, EAFT 1993, EAFT 1995, ENGAGE AF-TIMI 48 cerebrovascular events, Hylek EM et al, JNAF-ESP, Olesen JB et al, Pengo V et al, PREVENT 2003, PROTECT AF, RE-LY, RE-LY intracranial hemorrhage, RE-LY Japanese population, RE-LY risk of bleeding, ROCKET AF, ROCKET AF renal dysfunction, SPAF, SPAF I-III 1999, SPAF II 1994, SPAF II 1996, SPAF III 1996, SPAF III 1998, SPAF III 1998, SPORTIF INR control, SPORTIF risk of bleeding, SPORTIF V, TASS 1989, TPT, Turpie AG et al 1993, Veterans Affairs Stroke Prevention
in Nonrheumatic Atrial Fibrillation
, WARIS 1990, WASID
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