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TIMI IIIB 1995 Thrombolysis in Myocardial Ischemia IIIB
結論 不安定狭心症および非Q波心筋梗塞(MI)患者を対象とした本試験における死亡率,非致死性梗塞または再梗塞の発生率は低かったが,1年後では死亡率4.3%,非致死性梗塞8.8%を示した。本解析からも,t-PAによる血栓溶解療法のベネフィットは示されなかった。侵襲的治療群ではPTCA施行率が保存的治療群より高かったものの,CABG施行率は両群で同等であった。1年後の死亡または/および再梗塞の発症率にも差は認められなかったが,侵襲的治療群において遠隔期の再入院率が抑制された。侵襲的治療と保存的治療はいずれも不安定狭心症・非Q波MI患者のマネジメントに適しており,再入院・再血行再建術の施行・コストの差は僅少であることが示された。

目的 不安定狭心症および非Q波心筋梗塞(MI)患者における血栓溶解薬t-PAの効果,および早期の侵襲的治療と保存的治療の有効性を比較検討したTIMI IIIB Trialの1年後の臨床転帰を調査。
エンドポイント:1年後の死亡,MI,または死亡+MIの複合。
デザイン ランダム化,2×2 factorial。
セッティング 多施設(2ヵ国,31施設)。アメリカ,カナダ。
同TIMI IIIB Trial(1994年,メインスタディ)。
期間 追跡期間は1年。
対象患者 1,473例。21~79歳。大多数が白人,女性33%。心筋虚血が疑われる安静時の胸部不快感(5分~6時間継続)発症から24時間以内の患者で,ECG所見により一過性のST上昇,あるいは一過性または持続性のST下降またはT波陰転が認められる患者,および冠動脈疾患の既往例(ECG異常所見のない症例を含む)。
【除外基準】過去21日以内のMI既往,30日以内の冠動脈造影施行歴,過去6ヵ月以内のPTCA,施行時期にかかわらないCABG施行歴,肺浮腫,血圧値>180/100mmHg,血栓溶解療法に禁忌,左脚ブロック,経口抗凝固薬の服用歴など。
治療法 血栓溶解療法群(t-PA 0.8mg/kgを90分以上で急速投与:729例)とプラセボ群(744例)にランダム化。次いで,侵襲的治療群(血栓溶解療法後18~48時間に冠動脈造影。適応があればPTCAまたはCABGを施行:740例)と保存的治療群(血栓溶解療法が無効な場合,侵襲的治療と同様の治療を施行:733例)にランダム化。6週間以降の治療は担当医の裁量に任せた。
heparin(活性化部分トロンボプラスチン時間をコントロールの1.5~2.0倍に維持)を72~96時間で静注,または heparin投与歴のない患者には5,000Uをボーラス投与。2日目よりaspirin 325mg/日投与開始,1年間継続投与。狭心症治療薬(β遮断薬,Ca拮抗薬,硝酸薬,nitroglycerin)の投与は許可。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
1年後の死亡または非致死性MIの発症率は,t-PA群12.4%,プラセボ群10.6%と同等であり(p=0.24),侵襲的治療群と保存的治療群においても有意差は認められなかった(10.8% vs 12.2%,p=0.42)。1年後の再入院は,侵襲的治療群26%,保存的治療群33%であり,侵襲的治療群で有意に抑制された(p<0.005)。追跡期間を通して,再入院の総日数は保存的治療群で多かったものの,1年後では両群間の差は有意ではなかった。また,非Q波MI患者よりも不安定狭心症患者で1年後の再入院率が高かった(31% vs 26%,p=0.038)。
1年後の血行再建術施行は侵襲的治療群64%,保存的治療群58%と侵襲的治療群でわずかに多く(p<0.001),これはPTCA施行率の差(39% vs 32%,p<0.001)によるものであった(CABG施行率は両群とも30%,p=0.50)。侵襲的治療群と保存的治療群ともに血行再建術施行率は高率であり,1年後の臨床転帰も同様であることが示された。

●有害事象
表記なし。

文献: [substudy] Anderson HV, et al for the TIMI IIIB Investigators. One-year results of the Thrombolysis in Myocardial Infarction (TIMI) IIIB clinical trial: A randomized comparison of tissue-type plasminogen activator versus placebo and early invasive versus early conservative strategies in unstable angina and non-Q wave myocardial infarction. J Am Coll Cardiol 1995; 26: 1643-50. pubmed
関連トライアル After Eighty study, Barbash GI et al, DANAMI, ESSENCE 2000, GUSTO IIb 1997, Holdright D et al, ICTUS, ICTUS 5-year outcomes, LATE 1995, LATE 1996, MASS, Mayo Coronary Care Unit and Catheterization Laboratory, NRMI-2, OASIS Pilot Study 1998, PAMI, RESTORE, Ribeiro EE et al, STREAM 1-year mortality, SWIFT, TACTICS-TIMI 18 1998, TACTICS-TIMI 18 2001, TAMI 2, 3, 5 and Urokinase Trial 1994, TAMI 5 1991, TAMI 6, TAUSA, TIMI 4, TIMI II 1989, TIMI II 1992, TIMI II 1993, TIMI II 1995, TIMI IIA 1990, TIMI IIIA, TIMI IIIB 1994, TIMI IIIB 1999 Database Study, VANQWISH, White HD et al, 非ST上昇型ACS患者におけるルーチン侵襲治療と選択的侵襲治療の長期転帰, 非ST上昇型急性冠症候群に対する初期侵襲的治療および保存的治療の性差
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