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Pengo V et al Effectiveness of fixed minidose warfarin in the prevention of thromboembolism and vascular death in nonrheumatic atrial fibrillation
結論 warfarinの用量固定と用量調整投与では一次アウトカムに有意差は認められなかったが,脳梗塞の発症は用量固定群で有意に増加した。以上の結果から,低用量固定warfarin(1.25mg/日)投与は,非リウマチ性心房細動(AF)患者に対する保護効果を有さないことが示唆された。

目的 非リウマチ性心房細動(AF)患者において,用量固定warfarin(低用量1.25mg/日)による血栓塞栓症,血管死,脳内出血または致死性出血に対する抑制効果を,標準的用量調整warfarinと比較検討。
一次アウトカム:脳梗塞,末梢または臓器塞栓症,脳内出血または致死性出血,あるいは血管死。二次アウトカム:重度の出血,急性心筋梗塞(AMI),全死亡。
デザイン ランダム化,オープン,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設。
期間 追跡期間は2年(平均14.5ヵ月)。試験期間は2.5年(1994年~1996年10月)。
対象患者 303例。年齢>60歳。慢性非リウマチ性AF患者。
【除外基準】コントロール不能の収縮期高血圧症(SBP>180mmHg),慢性腎不全(血清クレアチニン値>3mg/dL),慢性肝不全(INR>1.5),慢性アルコール中毒または精神障害,過去6ヵ月以内の重度の出血,心不全(NYHA III~IV度),1週間以上前からの抗血小板薬投与,心臓除細動の施行予定,脳虚血の既往,過去1ヵ月未満のMI既往,barbiturateまたはcarbamazepineの投与歴,僧帽弁狭窄,中等度~重度の僧帽弁閉鎖不全,拡張型心筋症など。
治療法 用量固定投与群(150例:低用量warfarin 1.25mg/日)と標準的用量調整投与群(153例:warfarin 5mg/日から投与開始し,INR 2.0-3.0を維持するよう調整)にランダム化。
以下の場合は投与を中止:最初の1ヵ月間にINR>3となった場合(用量固定群),自発的な洞調律の回復が1ヵ月を超えて維持された場合,治療による有害事象が認められた場合,治療が1ヵ月を超えて中断された場合,治療に対する除外基準または標準的傾向抗凝固薬に対する適応が発生した場合。
両群とも3,7,10,14,30日後にINRを測定。用量調整群では,その後も間隔が5週間以上にならないようにINR測定を実施(平均25日間隔)。
3,6ヵ月後,それ以降は6ヵ月ごとに検診および心電図検査を実施。
追跡完了率 脱落率は15.5%(47例:用量固定群24例,用量調整群23例)。
【脱落理由】1ヵ月を超える洞調律の自然な回復(13例),1ヵ月を超える治療への患者の拒否(13例)など。
結果

●評価項目
[SPAF III Trialから,用量固定warfarin(INR<1.5)投与は標準用量調整投与(INR 2.0-3.0)に比較して,非リウマチ性AFを有する高リスク患者における脳卒中抑制に劣るという結果が得られたため,本試験は1996年10月31日に早期に中止された。]
一次アウトカムの累積発生率は,用量固定群11.1%(95%CI 4.0-18.2,event-free症例36例),用量調整群6.1%(95%CI 1.1-11.1,event-free症例30例)であり,両群間に有意差は認められなかった[p=0.29,各群の年間発生率6.2%(10例)vs 3.6%(6例)]。一方,脳梗塞単独では,年間発症率は各群3.7%(5例),0%と用量固定群で有意な増加がみられた(p=0.025)。
血栓塞栓性合併症(脳梗塞+全身性塞栓症)および出血性合併症の発症率と抗凝固療法の強度の関係を検討したところ,血栓塞栓性合併症のほとんどはINR<1.2であったのに対し,出血性合併症はINR>3.0で頻発していた。
用量固定群の73%の患者では1ヵ月後のINRは1.2未満であり,試験期間を通じて強度が低かったのに対し,用量調整群では試験期間の70%で至適治療レベルが維持されていたものの,12%の期間ではINRが3を超えていた。

●有害事象
重度の出血の年間発生率は,用量固定群1%(1例),用量調整群2.6%(4例)であり,用量調整群で多かった(p=0.19)。

文献: Pengo V, et al. Effectiveness of fixed minidose warfarin in the prevention of thromboembolism and vascular death in nonrheumatic atrial fibrillation. Am J Cardiol 1998; 82: 433-7. pubmed
関連トライアル AFASAK 2 1999, ARISTOTLE, ARISTOTLE time in therapeutic range, ARISTOTLE-J, BAATAF, CAFA, Crowther MA et al, EAFT 1995, ELATE, ENGAGE AF-TIMI 48 cerebrovascular events, ENGAGE AF-TIMI 48 transition to open-label anticoagulation, J-RHYTHM target INR values, J-ROCKET AF, JNAF-ESP, North Dublin Population Stroke Study, Poli D et al, PREVENT 2003, RE-LY intracranial hemorrhage, RE-LY Japanese population, RE-LY risk of bleeding, ROCKET AF post hoc analysis, ROCKET AF renal dysfunction, Sadanaga T et al, SIFA, SPAF, SPAF III 1996, SPAF III 1998, SPORTIF elderly patients, SPORTIF II , SPORTIF INR control, SPORTIF pooled analysis, SPORTIF risk of bleeding, SPORTIF V, Swedish Atrial Fibrillation Cohort Study: net benefit, Themistoclakis S et al, Torn M et al, Veterans Affairs Stroke Prevention
in Nonrheumatic Atrial Fibrillation
, WAPS
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