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ESSENCE 1997 Efficacy and Safety of Subcutaneous Enoxaparin in Non-Q-Wave Coronary Events
結論 不安定狭心症または非Q波心筋梗塞(MI)患者における早期の虚血イベント抑制を目的とした抗血栓療法として,未分画heparin+aspirinよりもenoxaparin+aspirin併用投与のほうが有効であり,かつenoxaparinは重度の出血リスクを増加させないことが示された。

目的 不安定冠動脈疾患において,低分子量heparin(LMWH:enoxaparin)と未分画heparin(UFH)の有効性を比較検討。
一次エンドポイント:14日後の死亡+心筋梗塞(MI)または再梗塞+狭心症の再発。二次エンドポイント:48時間後,30日後の一次エンドポイント,また48時間後,14日後,30日後の死亡+MI。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検,ダブルダミー,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(10ヵ国,176施設)。アメリカ,カナダ,南アフリカ,欧州。
期間 追跡期間は30日。登録期間は1994年10月~1996年5月。
対象患者 3,171例。年齢≧18歳。安静時狭心症または非Q波梗塞患者。
【除外基準】左脚ブロックまたはペースメーカー植込み,持続性ST上昇,抗凝固薬に禁忌など。
治療法 LMWH(enoxaparin)投与群(1,607例)とUFH群(1,564例)にランダム化。
enoxaparin群:1mg/kgを12時間ごとに皮下投与+プラセボをボーラス静注後点滴)。UFH群:プラセボ皮下投与+heparin 5,000Uボーラス静注後,活性化部分トロンボプラスチン時間(55~85秒を目標)により用量調整して連続点滴。全例にaspirin 100~325mg/日経口投与。
対象の96%でランダム化後12時間以内に投与開始。試験薬投与期間は最小48時間~最大8日間(中央値2.6日)。
追跡完了率 投与中止例は367例(11.6%)。
【脱落理由】エンドポイント発生(21.2%),退院(19.3%),インターベンション施行の必要性(18.2%),患者の拒否または医師の判断(7.7%),プロトコール逸脱(7.4%)など。
結果

●評価項目
一次エンドポイント発生率は,enoxaparin群16.6%,UFH群19.8%とenoxaparin群で有意に抑制された(オッズ比0.80,95%CI 0.67-0.96,p=0.019)。30日後の時点でもenoxaparin群で有意に低かった(19.8% vs 23.3%,0.81,0.68-0.96,p=0.016)。14日後の死亡+MI発生率はenoxaparin群4.9%,UFH群6.1%(リスク減少率19.9%,p=0.13),30日後でもenoxaparin群で20.4%リスク減少(6.2% vs 7.7%,p=0.08)。30日後の血行再建術の必要率もenoxaparin群で有意に低下した(27.0% vs 32.2%,p=0.001)。また,enoxaparinの有効性は年齢>65歳,aspirin長期投与歴,PTCA施行歴,ベースライン時における心電図上の変化またはST下降などのサブグループにおいても同様であった。

●有害事象
30日後の重大な出血の発生率は,enoxaparin群6.5%,UFH群7.0%であったが,すべての出血の発生率は18.4% vs 14.2%とenoxaparin群で有意に高く(p=0.001),これは主に点滴部位の皮下出血によるものであった。

文献: [main] Cohen M, et al for the Efficacy and Safety of Subcutaneous Enoxaparin in Non-Q-Wave Coronary Events Study Group. A comparison of low-molecular-weight heparin with unfractionated heparin for unstable coronary artery disease. N Engl J Med 1997; 337: 447-52. pubmed
関連トライアル ACE , ACUITY, ATACS, ATACS-pilot, ATOLL, Canadian Multicenter Trial, CLARITY-TIMI 28, Cohen M et al, ECSG 1992, ESSENCE 1998, ESSENCE 2000, ExTRACT-TIMI 25, ExTRACT-TIMI 25 1-year outcomes, ExTRACT-TIMI 25 bleeding and outcomes, ExTRACT-TIMI 25 clopidogrel, FRAX.I.S, FRIC, FRISC, FRISC II 1999, Gurfinkel EP et al, GUSTO IIb 1996, HART 1990, HAS, HELVETICA, ISAR-REACT 3, LIFENOX, Matisse Study, Neri Serneri GG et al, OASIS Pilot Study 1998, OASIS-2, OASIS-5, PARAGON-A, PCI施行中におけるenoxaparinとUFHの比較, PRISM, PRISM-PLUS 1998, RESTORE, RISC 1990, STEEPLE, SYNERGY, SYNERGY long-term outcomes, TACTICS-TIMI 18 2001, Théroux P et al 1988, Théroux P et al 1992, TIMI 11B, TRIM, WARIS 1990, WASID
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