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WARIS 1990 Warfarin Re-Infarction Study
結論 急性心筋梗塞(AMI)から回復した患者へのwarfarin長期投与は全死亡・再梗塞のリスク減少に非常に有効であり,また脳血管イベントへの有効性も示唆された。禁忌でない限りAMI既往患者へのwarfarin投与が推奨される。

目的 急性心筋梗塞(AMI)から回復した患者への抗凝固薬warfarin長期投与の有効性を検討。
一次エンドポイント:全死亡,再梗塞。二次エンドポイント:脳血管イベント。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検,intention-to-treat解析,on-treatment解析。
セッティング 多施設(5施設)。ノルウェー:Oslo地域。
期間 追跡期間は平均37ヵ月。登録期間は1983年1月10日~1986年3月。
対象患者 1,214例。AMI既往患者で,退院時の年齢≦75歳。
【除外基準】抗凝固薬投与を要するまたは治療中の患者,悪性疾患,余命2年未満,出血リスク(出血性素因・消化性潰瘍の既往,抗血小板薬の使用など)。
治療法 warfarin投与群(607例)とプラセボ群(607例)にランダム化。
入院中は全例に標準的な薬物治療(β遮断薬を含む)を実施。治療はランダム化当日から開始(梗塞発症後平均27日)。患者背景はコレステロール値がwarfarin群で高いことを除き(p<0.001)同等。投与期間は平均37ヵ月(24~63ヵ月)。プロトロンビン時間の目標値をINR 2.8-4.8に設定し,安定後4~6週ごとの通院時に採血を実施。
出血リスクを考慮し,aspirinおよびその他の抗血小板薬投与は中止。intention-to-treat解析に加え,投与期間または投与終了後28日以内のイベント発症例についてon-treatment解析を実施。
追跡完了率 脱落率は17.6%(214例:warfarin群113例,プラセボ群101例)。
【脱落理由】薬物非関連による脱落(102例),バイパスグラフト術施行(53例),非心臓疾患(30例),warfarin投与の必要性または禁忌(20例),出血性合併症(10例)。
結果

●評価項目
全死亡,致死性または非致死性MI再発,脳血管イベントのいずれもwarfarin群でプラセボ群に比し有意に抑制された[全死亡:94例(15%)vs 123例(20%),リスク減少率24%,95%CI 4-44%,p=0.0267,MI再発:82例 vs 124例,リスク減少率34%,19-54%,p=0.0007,脳血管イベント:20例 vs 44例,リスク減少率55%,30-77%,p=0.0015]。on-treatment解析におけるリスク減少率は各35%,43%,61%。

●有害事象
治療期間中の頭蓋内出血はwarfarin群で5例,うち3例が致死性であり(発生率0.2%/年),重篤な頭蓋外出血はwarfarin群でのみ8例。重度の出血はwarfarin群のみで0.6例/年報告された。β遮断薬併用によるwarfarinの効果への影響は認められなかった。

文献: [main] Smith P, et al. The effect of warfarin on mortality and reinfarction after myocardial infarction. N Engl J Med 1990; 323: 147-52. pubmed
関連トライアル AFTER, ARIS, ASPECT, BAATAF, CLARITY-TIMI 28, ELATE, EMIP, ESSENCE 1997, ExTRACT-TIMI 25, FRAMI, GUSTO IIb 1996, GUSTO IIb 1997, GUSTO III, HORIZONS-AMI , ICTUS, LATE 1996, OASIS Pilot Study 1998, OASIS-5, PAMI, PARIS-II, PREVENT 2003, PRISM-PLUS 1998, SPAF II 1996, STARS, TIMI II 1989, Turpie AG et al 1993, Veterans Affairs Stroke Prevention
in Nonrheumatic Atrial Fibrillation
, WASID, WHS
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