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ACE ASA and Carotid Endarterectomy
結論 頸動脈内膜切除術施行患者において,30日後および3ヵ月後の脳卒中,心筋梗塞(MI),死亡リスクの低下には,aspirin低用量(81mgまたは325mg/日)のほうが高用量(650mgまたは1,300mg/日)より優れていることが示された。

目的 頸動脈内膜切除術施行患者において,抗血小板薬aspirinの果たす役割および至適用量を検討。
エンドポイント:全脳卒中+心筋梗塞(MI)+死亡の複合。
デザイン ランダム化,二重盲検。
セッティング 多施設(6ヵ国,74施設)。
アメリカ(48施設),カナダ(19),オーストラリア(4),イタリア,アルゼンチン,フィンランド(各1)。
期間 追跡期間は3ヵ月。ランダム化の期間は1994年7月~1998年4月。
対象患者 2,849例(うち手術中止45例)。69歳(中央値)。動脈硬化性疾患による頸動脈内膜切除術施行予定の患者で,aspirin 1,300mg投与に忍容性を有する症例。
【除外基準】aspirin服用中またはその他の抗血小板薬の投与中止が不可能な場合,障害を伴う脳卒中の既往,過去30日以内の心臓外科手術施行歴または施行予定など。
治療法 施術前にaspirin 81mg/日投与群(698例),325mg/日投与群(697例),650mg/日投与群(703例),1,300mg/日投与群(706例)にランダム化。投与は3ヵ月継続。aspirinは腸溶錠を使用。
試験期間中のaspirin以外の抗血小板薬投与は禁止。その他の薬剤投与に関しては担当医の判断に委ねた。
追跡完了率 45例(1.6%)で手術施行中止。
【脱落理由】冠動脈造影により病変が手術に不適応と判断(29例),リスクが高すぎた症例(8例),禁忌の症例(5例),患者の拒否(3例)。
結果

●評価項目
全脳卒中,MI,死亡の複合エンドポイントの発生率は,低用量群のほうが高用量群に比し低かった(30日後:5.4% vs 7.0%,相対リスク1.31,p=0.07,3ヵ月後:6.2% vs 8.4%,1.34,p=0.03)。aspirin 650mg以上の投与群,施行後1日以内にランダム化された群を除いた有効性の解析では,30日後の複合エンドポイント発生率は,低用量群3.7%,高用量群8.2%(相対リスク2.21,p=0.002),3ヵ月後では低用量群4.2%,高用量群10.0%(2.36,p=0.0002)といずれも低用量群で低かった。
aspirin 80mg群と325mg群,650mg群と1,300mg群間にはいずれの解析においても有意な差はみられなかった。

●有害事象
出血性脳卒中の発症は,低用量群に比較して高用量群で多かったが有意ではなかった(aspirin 81mg群4例,325mg群6例,650mg群9例,1,300mg群8例:相対リスク1.68,95%CI 0.77-3.68,p=0.18)。創傷血腫や胃不快感などを含む他の出血性合併症の発症率とaspirin投与量との間に相関は認められなかった。

文献: [main] Taylor DW, et al. for the ASA and Carotid Endarterectomy (ACE) Trial Collaborators. Low-dose and high-dose acetylsalicylic acid for patients undergoing carotid endarterectomy: a randomised controlled trial. Lancet. 1999; 353: 2179-84. pubmed
関連トライアル CAPRIE 1996, CAPRIE 1999, CARS, CAST, CREDO, CURRENT-OASIS 7 undergoing PCI, Danish Very-Low-Dose Aspirin Trial, Dutch-TIA Trial, ESPS-2 1996, Findlay JM et al, HOT, IST 1997, JPPP, Lindblad B et al, MATCH, Mayo Asymptomatic Carotid Endarterectomy Study, NASCET 1998, PERFORM, Physicians' Health Study 1991, SPAF III 1996, Swedish Cooperative Study, TRITON-TIMI 38 discharge aspirin dose
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