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TPT Thrombosis Prevention Trial
結論 虚血性心疾患(IHD)高リスク患者において,aspirin単独投与は非致死性IHD,warfarin単独は致死性イベントの抑制に有効であり,warfarin+aspirin併用投与により単独に比しさらなる予防効果が得られることが明らかにされた。

目的 虚血性心疾患(IHD)の高リスク男性患者への低用量warfarinとaspirinの単独および併用投与による一次予防効果を比較検討。
一次エンドポイント:冠動脈死,致死性および非致死性心筋梗塞(MI)をあわせたIHD。二次エンドポイント:脳卒中。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検,2×2 factorial。
セッティング 多施設(108施設)。イギリス。
期間 追跡期間は5年以上。1997年10月追跡終了。
対象患者 5,499例(男性)。45~69歳。IHD高リスク症例。
【除外基準】最近の消化性潰瘍の既往,MIまたは脳卒中の既往(またはその可能性),試験薬と配合禁忌の薬剤投与。
治療法 warfarin(W)の実薬およびプラセボ(P),aspirin(A)の実薬およびプラセボを組み合わせ,warfarin+aspirin併用投与群(1,277例:WA群),warfarin+プラセボ投与群(1,268例:W群),aspirin+プラセボ投与群(1,268例:A群),プラセボ投与群(1,272例:P群)にランダム化。投与量:warfarinは平均4.1mg/日(0.5~12.5mg:平均INRは1.47),aspirinは75mg/日。
追跡完了率 脱落率は54.0%(2,969例:WA群751例,W群735例,A群735例,P群748例)。
【脱落理由】表記なし。
結果

●評価項目
虚血イベントは410例(致死性142,非致死性268)。warfarin投与群では,IHDが21%(p=0.02),致死性イベントが39%(p=0.003),全死亡が17%(p=0.04)有意に減少(WA+W群 vs A+P群)。aspirin投与群では,IHDが20%(p=0.04),非致死性IHDが32%減少(p=0.004)した(WA+A群 vs W+P群)。IHDの絶対リスク減少は,warfarin群2.6/1,000人・年,aspirin群2.3/1,000人・年であった。
WA群ではP群に比しIHDが有意に34%抑制された(p=0.006)。W群およびA群におけるIHD発生率は同等であり(各10.3%:対P群減少率22%,10.2%:23%),有意差なし。WAおよびW群での非致死性IHDの減少率はP群に比し各30%,44%であり,A群ではP群と同等であった。
WA群ではP群に比し脳卒中の発症率が高く,出血性脳卒中はwarfarinおよびaspirin投与群で多かった。致死性脳卒中はWA群12例に比しP群では1例であり,WA群で有意に多くみられ(p=0.003),warfarin投与群とaspirin投与群間に有意差はみられなかった(p=0.12)。

●有害事象
大出血の発生は,WA群12例,W群9例,A群8例,P群4例であり,実薬群とプラセボ群間に有意差は認められなかった(p=0.13)。一方,実薬群間に関しては有意差を示すに十分なイベント数が得られなかった。中等度の出血(主に血尿)は,各群80例,53例,48例,33例であり,W群およびA群に比しWA群で多くみられた。また,P群とWA群間には有意差が認められ(p<0.001),W群でもP群に比し多かった(p=0.04)。軽度の出血は,各群621例,496例,484例,398例(WA群,W群,A群 vs P群:p<0.001,WA群 vs W群,A群:p<0.001)。

文献: [main] The Medical Research Council's General Practice Research Framework. Thrombosis prevention trial: randomised trial of low-intensity oral anticoagulation with warfarin and low-dose aspirin in the primary prevention of ischaemic heart disease in men at increased risk. Lancet 1998; 351: 233-41. pubmed
関連トライアル AAA, ACTIVE W, AFASAK 2 1999, ASPECT, aspirinの一次および二次予防効果(ATT), aspirin連日投与による癌転移抑制効果, aspirin連日投与による短期の癌発生,癌死,非血管死抑制効果, ATACAS, BAFTA, CAPRIE 1996, CARS, CAST, CHARISMA, Copenhagen AFASAK, CREDO, EAFT 1993, ECLAP, Elwood PC et al 1979, ESPRIT , INSPIRE, ISIS-2, IST 1997, JPAD, JPPP, Lamberts M et al, MATCH, OASIS Pilot Study 1998, PERFORM, PPP, PREVENT 2003, SALT, SAPAT, Sixty Plus Reinfarction Study, SPAF II 1996, SPAF III 1996, SPIRIT, STARS, WAPS, WARCEF, WARCEF post hoc analysis, WARP, WARSS, WASID, WHS
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