抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
SPAF III 1998 Stroke Prevention in Atrial Fibrillation III
結論 aspirin投与を行っている心房細動(AF)患者では,脳梗塞,特に障害を伴う脳卒中の発症において低リスクであることが示唆された。

目的 aspirin投与中の血栓塞栓症リスク因子を有さない非弁膜症性心房細動(NVAF)患者において,脳卒中リスクを層別化して評価。
一次イベント:脳梗塞[RankinスコアII以上(1~3ヵ月後)は障害を伴う脳卒中と定義],全身性塞栓症。
デザイン コホート研究。
セッティング 多施設(2ヵ国,20施設:大学医学部の関連施設)。アメリカ,カナダ。
期間 追跡期間は平均2年(3ヵ月~3.9年)。
登録期間は1993年5月~1996年11月。試験期間は1993~1997年。
対象患者 892例。平均年齢67歳。男性78%。過去6ヵ月以内に発症し,人工心臓弁膜症または僧帽弁狭窄を有さないNVAF患者。aspirinまたはwarfarin投与の必要性あるいは禁忌でない症例。次の血栓塞栓症リスク因子を有さない低リスク症例:過去100日以内のうっ血性心不全,またはEF≦25%の左室機能不全,SBP>160mmHg,脳梗塞・一過性脳虚血発作(TIA)・全身性塞栓症の既往,年齢>75歳の女性。
治療法 全例にaspirin腸溶錠325mg/日投与。
追跡完了率 脱落率は10.4%/年(20.8%/平均追跡期間)。
【脱落理由】血栓塞栓症の進行による理由(6.5%/年):うっ血性心不全(3.2%/年),収縮期高血圧症(1.4%/年),TIA発症(1.4%/年),76歳以上の女性(0.6%/年),その他(3.9%/年):患者の希望(0.4%/年)など。
結果

●評価項目
ベースライン時における高血圧症,糖尿病,虚血性心疾患(IHD)の既往患者はそれぞれ46%,13%,16%。一次イベントの年間発生率は2.2%(95%CI 1.6%-3.0%),脳梗塞は2.0%/年,障害を伴う脳梗塞は0.8%/年であった。TIA発生率は1.3%/年であった。
高血圧症の既往例における一次イベントの年間発生率は3.6%と,非既往例の1.1%に比し有意に高かった(p<0.001)。障害を伴う脳卒中は高血圧症既往例,非既往例ともに低率であったが,既往例で高かった(各1.4%/年,0.5%/年,p=0.05)。多変量解析において高血圧症の既往は一次エンドポイントに対する独立した予測因子であることが示された(相対リスク3.3,95%CI 1.7-6.9,p=0.001)。また,年齢も有意な予測因子であった(相対リスク1.7/10年,p=0.01)。一方,性差,70~75歳の女性,糖尿病,IHD,心不全のリモートな既往,喫煙習慣,登録時および追跡期間中の血圧値,左室機能は独立した予測因子ではなかった。

●有害事象
aspirin投与中における重度の出血発生率は0.5%/年であった。

文献: [substudy] The SPAF III Writing Committee for the Stroke Prevention in Atrial Fibrillation Investigators. Patients with nonvalvular atrial fibrillation at low risk of stroke during treatment with aspirin: Stroke Prevention in Atrial Fibrillation III Study. JAMA 1998; 279: 1273-7. pubmed
関連トライアル ACTIVE A, ACTIVE W paroxysmal vs sustained, AFASAK 2 1999, AVERROES, AVERROES previous stroke/TIA, BAFTA, EAFT 1993, JAST, Lip GY et al, ORBIT-AF, Pearce LA et al, SPAF, SPAF I 1993, SPAF I-II 1995, SPAF I-III 1999, SPAF I-III 2000, SPAF I-III 2000, SPAF II 1994, SPAF II 1996, SPAF III 1996, SPAF III 1998, SPAF III von Willebrand factor, SPORTIF V, van Walraven C et al, 心房細動患者に対する脳卒中予防療法における年齢効果
関連記事