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Physicians' Health Study 1991
結論 心血管死のリスクが高い慢性安定狭心症患者において,aspirin隔日投与は心筋梗塞(MI)の初回発症リスクを有意に低減した(p<0.001)。一方,aspirin投与により脳卒中発症リスクは明らかに増加したが,これについては適切なサンプルサイズのランダム化臨床試験でさらに検討する必要がある。

目的 慢性安定狭心症患者において,低用量aspirinの血管疾患に対する一次予防効果を検討。
エンドポイント:心筋梗塞(MI),脳卒中,心血管死。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検,intention-to-treat解析。
セッティング アメリカ。
期間 追跡期間は平均60.2ヵ月。
対象患者 333例。Physicians' Health Studyに登録されたMI,脳卒中,一過性脳虚血発作の既往のない男性医師22,071例(40~84歳)のうち,慢性安定狭心症の既往を有する者。
治療法 aspirin 325mg/日隔日投与群(178例)とプラセボ群(155例)にランダム化。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
MI発症はaspirin群7例(4%),プラセボ群20例(13%)に認められ,aspirin群で有意に減少した(相対リスク0.30,95%CI 0.14-0.63,p=0.003)。比例ハザードモデルを用い,年齢およびβ-カロチン投与の有無に加え,他の心血管リスク因子を補正すると,MI発症リスクはaspirin群で87%低下した(多変量相対リスク0.13,95%CI 0.04-0.42,p<0.001)。
冠動脈バイパス術または冠動脈形成術の施行歴がない221例(aspirin群119例,プラセボ群102例)の検討でも,aspirin群においてMI発症リスクの低下が認められた(aspirin群5例 vs プラセボ群15例,多変量相対リスク0.14,95%CI 0.04-0.56,p=0.005)。
脳卒中はaspirin群11例,プラセボ群2例に発症し,aspirin群で有意に増加した(相対リスク5.37,95%CI 1.3-22.1,p=0.02)。これらの脳卒中は致死性ではなかったが,4例で長期にわたる障害が認められた。また,aspirin群の1例は出血性脳卒中であった。
心血管死はaspirin群6例,プラセボ群7例に認められた(相対リスク0.75,95%CI 0.25-2.33,p>0.2)。このうち,プラセボ群の4例はMIが死因であった。
注) 各相対リスクの算出にあたっては,年齢(5歳ごと)およびPhysicians' Health Studyにおけるβ-カロチン投与の有無による補正を行った。

●有害事象
表記なし。

文献: [substudy] Ridker PM, et al. Low-dose aspirin therapy for chronic stable angina. A randomized, placebo-controlled clinical trial. Ann Intern Med 1991; 114: 835-9. pubmed
関連トライアル ACE, AITIA 1977, AITIA 1978, AMIS, ASPECT, Canadian Cooperative Study 1978, Canadian Multicenter Trial, Cardiff-1, CARS, CHARISMA subgroup analysis, Dutch-TIA Trial, ECLAP, Elwood PC et al 1979, ETDRS 14, Fornaro G et al, FRIC, Garcia Rodriguez LA et al, Garcia Rodriguez LA et al (BMJ), INVEST impact of aspirin, JPAD, JPPP, LASAF Pilot Study, Melandri G et al 1993, PHS, Physicians' Health Study 1997, PPP, RESTORE, RISC 1990, RISC 1991, SALT, SAPAT, TASS 1989, Théroux P et al 1988, Théroux P et al 1992, UK-TIA, VA-main, VA-pilot, WHS, 安定循環器疾患に対する低用量aspirin
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