抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
CAST Chinese Acute Stroke Trial
結論 本試験とほぼ規模が同じであるIST(International Stroke Trial)の結果と合わせ,脳梗塞急性期に対する早期のaspirin投与は,約9例/1,000人・数週の早期死亡,非致死性脳卒中と約13例/1,000人・数週~数ヵ月の死亡または要介護を確実に抑制することが示された。

目的 脳梗塞急性期において,抗血小板薬aspirin早期投与の死亡および合併症発症への抑制効果を検討。
一次エンドポイント:4週間の治療期間中の全死亡,退院時の死亡または要介護。二次エンドポイント:致死性または非致死性脳卒中の再発,死亡,4週間の治療期間中の非致死性脳卒中。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(413病院)。中国。
期間 追跡期間は4週間。登録期間は1993年11月~1997年3月。
対象患者 21,106例。平均年齢aspirin群63.2歳,プラセボ群63.1歳。急性脳梗塞が疑われる症状の発症後48時間以内の患者で,aspirinに対する適応が明らかでない,または禁忌でない症例。
治療法 aspirin 160mg/日(フィルムコート錠)投与群(10,554例)とプラセボ群(10,552例)にランダム化。
追跡完了率 各群の治療期間のプロトコール完了率は97%。院内イベントのデータが得られたのは20,655例(97.9%:aspirin群97.9%,プラセボ群97.8%)。
【脱落理由】表記なし。
結果

●評価項目
治療期間中の全死亡はaspirin群343例(3.3%),プラセボ群398例(3.9%)であり,aspirin群でリスクが14%有意に低下した(2p=0.04)。脳梗塞の再発は,プラセボ群215例(2.1%)に対してaspirin群167例(1.6%)と有意に少なかったが(2p=0.01),出血性脳卒中はaspirin群でわずかに多かった(2p>0.1)。治療期間中の死亡と非致死性脳卒中の発症は,プラセボ群614例(5.9%)に対し,aspirin群545例(5.3%)と有意に抑制された(2p=0.03)。これはaspirin群で1,000人あたり6.8例の減少を意味する(リスク低下率12%)。
退院時の死亡または要介護は,プラセボ群3,266例(31.6%),aspirin群3,153例(30.5%)であり,aspirin群で1,000人あたり11.4例減少した(2p=0.08)。退院時の要介護はプラセボ群2,830例(28.7%)に対してaspirin群では2,776例(28.0%)であった(2p>0.1)。

●有害事象
治療期間中,肺塞栓がaspirin群12例(0.1%),プラセボ群20例(0.2%)にみられたが,両群間に有意差は認められなかった(p>0.1)。輸血を要するまたは致死性の出血は,aspirin群でわずかに多くみられた(0.8% vs 0.6%,p=0.02)。

文献: [main] CAST (Chinese Acute Stroke Trial) Collaborative Group. CAST: randomised placebo-controlled trial of early aspirin use in 20,000 patients with acute ischaemic stroke. Lancet 1997; 349: 1641-9. pubmed
関連トライアル AAA, ACE, ASPIRE, aspirinの一次および二次予防効果(ATT), aspirin連日投与による癌転移抑制効果, aspirin連日投与による短期の癌発生,癌死,非血管死抑制効果, BAFTA, CAPRIE 1996, CASISP, CAST-IST, COMMIT, CSPS 2, EAFT 1993, EARLY, Elwood PC et al 1979, EMERAS, ESPRIT , ESPRIT 2006, ESTAT, FASTER, ISIS-2, ISIS-2 10 year survival, ISIS-3, ISIS-pilot, IST 1997, MAST-I, MATCH, PERFORM, PPP, PRoFESS disability and cognitive function, SALT, SPS3, TPT, WHS
関連記事