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Théroux P et al 1988 Aspirin, heparin, or both to treat acute unstable angina
結論 急性期不安定狭心症において,aspirinおよびheparinは心筋梗塞(MI)発症を抑制したが,heparinのほうがより良好であった。また,heparin治療と治療抵抗性狭心症の発症率低下には関連性が認められた。

目的 不安定狭心症の急性期における,抗血小板薬aspirinと抗凝固薬heparinの単独および併用投与の有効性を比較検討。
主要なエンドポイント:治療抵抗性狭心症,心筋梗塞(MI),死亡。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検。
セッティング 多施設(2施設)。カナダ。
期間 追跡期間は3ヵ月。登録期間は1986年10月~1988年3月。
対象患者 479例。不安定狭心症の診断で入院した患者,または入院中に不安定狭心症を発症した患者。不安定狭心症の急性期(入院後なるべく早く試験開始)。
【除外基準】年齢>75歳,aspirinを規則的に服用している患者(1,2錠/週服用例は可),抗血小板薬またはwarfarin服用患者,aspirin,heparinに禁忌,6ヵ月以内の冠動脈形成術の施行歴, 1年以内のバイパス術施行歴,あるいは施行予定例など。
治療法 以下の4群にランダム化。
1)aspirin投与群(121例):aspirin 650mgを経口投与後,650mg/日(分2)+プラセボをボーラス静注。2)heparin投与群(118例):プラセボ+heparin 5,000Uボーラス静注後,heparin 1,000U/時を静注。3)aspirin+heparin併用投与群(122例):(1)および(2)と同様の量を投与。4)プラセボ群(118例):プラセボをボーラス投与後静注。heparinのボーラス投与はaspirin投与の1時間後とした。部分トロンボプラスチン時間をheparin投与の12時間後および毎日測定した。冠動脈造影をランダム化から平均4日後に実施。
追跡完了率 プロトコール逸脱率は11.1%(53例)。
【脱落理由】試験薬投与の中止など。
結果

●評価項目
(本試験は最初の中間発表後,policy boardの推奨により予定より早期に終了。)
最後の痛みの発症から試験開始までの平均時間は7.9時間。
6日以内の治療抵抗性狭心症の発症率はaspirin群17%,heparin群9%,aspirin+heparin群10.7%,プラセボ群22.9%。MI発症は,各3.3%(p=0.012),0.8%(p<0.001),1.6%(p=0.001),11.9%。死亡はプラセボ群のみに発生した(1.7%)。死亡に関しては評価に必要なイベント数が得られなかった。heparinは治療抵抗性狭心症の発症低下に関連していた(p=0.002)。aspirin+heparin群はheparin単独群に比べ合併症予防効果は認められず,重篤な出血の発生率がやや高かった(3.3% vs 1.7%)。
早期治療の長期予後を検討するため,全例を3ヵ月時点で追跡。MI追加発症が14例(aspirin群3例,heparin群4例,aspirin+heparin群2例,プラセボ群5例),血管形成術+バイパス術施行が各57例,66例,56例,52例,死亡が各1例,1例,0例,4例。

●有害事象
有害事象については,出血がheparin投与群で非投与群に比し2倍認められ(p=0.09),有害事象による投与中止例もheparin投与群で多かった。重篤な出血はaspirin+heparin群で多くみられた。

文献: Théroux P, et al. Aspirin, heparin, or both to treat acute unstable angina. N Engl J Med 1988; 319: 1105-11. pubmed
関連トライアル ATACS, ATACS-pilot, Canadian Multicenter Trial, DUCCS 1, Elwood PC et al 1979, ESSENCE 1997, ESSENCE 2000, FRAX.I.S, FRIC, FRISC, Gurfinkel EP et al, GUSTO IIb 1996, HAS, Holdright D et al, ISIS-2, ISIS-pilot, IST 1997, Johannessen K-A et al, Neri Serneri GG et al, OASIS Pilot Study 1998, OASIS-2, PARAGON-A, Physicians' Health Study 1990, PRISM, PRISM-PLUS 1998, PRISM-PLUS 1999, PURSUIT 1998, RESTORE, RISC 1990, SAPAT, Schulman SP et al, STAI 1990, STAI 1991, TACTICS-TIMI 18 2001, Théroux P et al 1992, TIMI 11B, TRIM, VA-main, VA-pilot
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