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米国心臓協会学術集会(AHA 2017)2017年11月11〜15日,アナハイム
DOAC服用NVAF患者におけるアンダードーズの頻度と転帰
2017.12.14
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AHA 2017取材班
Xiaoxi Yao氏
Xiaoxi Yao氏

直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)を服用している女性の非弁膜症性心房細動(NVAF)患者のうち,約1/5がアンダードーズである-11月12日,米国心臓協会学術集会(AHA)にて,Xiaoxi Yao氏(Mayo Clinic,米国)が発表した。

●背景・目的

NVAF患者に対する脳卒中発症抑制のための抗凝固療法は,有効性と安全性のバランスが難しい。DOACにおいては,出血リスクの懸念から減量基準に該当しない患者に減量投与されているケース(アンダードーズ)が少なくないのではないかと推察される。そこで,DOAC投与患者におけるアンダードーズのパターンと転帰について,年齢,性別ごとに調査を行った。

●方法・対象

データ源として,米国の大規模民間保険データベース,Optum Labs Data Warehouseを用いた。対象は,2010年10月1日~2016年9月30日にDOAC(アピキサバン,ダビガトラン,リバーロキサバン)を処方されたNVAF患者41,470例である。減量基準に該当し適切に減量投与されている例は除外した。年齢,腎機能,併存疾患など55の因子にもとづき,傾向スコアにより標準用量群とアンダードーズ群の調整を行った。

●結果

アンダードーズの割合は,女性17%,男性8.6%(80歳未満:女性8%,男性6%,80歳以上:女性43%,男性27%)で,高齢女性患者でアンダードーズが多かった。

各DOACの転帰について,アピキサバンは,80歳未満の女性における脳梗塞/全身性塞栓症の発症率がアンダードーズ群3.81%,標準用量群0.45%で,アンダードーズ群でリスクが有意に高かった(ハザード比[HR]7.56,95%CI 1.01-56.58)。男性または80歳以上の女性では,同様の傾向はみられなかった。大出血の発現率は,年齢,性別にかかわらず,アンダードーズ群と標準用量群で同程度であった。

リバーロキサバンは,年齢,性別にかかわらず,アンダードーズ群と標準用量群で脳梗塞/全身性塞栓症,大出血の発現率に有意差を認めなかった。

ダビガトランは,80歳以上の女性において,脳梗塞/全身性塞栓症発症率の違いはみられなかったものの,大出血の発現率はアンダードーズ群(1.39%)のほうが標準用量群(4.76%)よりも有意に低かった(HR 0.30,95%CI 0.13-0.68)。男性または80歳未満の女性では,同様の傾向はみられなかった。

●結論

DOACを服用している女性のNVAF患者のうち,約1/5がアンダードーズであった。80歳未満の女性患者に対して,アンダードーズのアピキサバンは有効性の低下に繋がる可能性がある。リバーロキサバンは,アンダードーズと標準用量で有効性,安全性に有意差を認めなかった。ダビガトランは,80歳以上の女性においてアンダードーズ群の大出血の発現率が低かった。


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