抗血栓トライアルデータベース
抗血栓トライアルデータベース
home
主要学会情報
テキストサイズ 
第12回European Cardiac Arrhythmia Society(ECAS 2016)2016年4月17~19日,フランス・パリ
リバーロキサバンはリアルワールドにおいて頭蓋内出血および頭蓋内出血+脳梗塞の複合を有意に抑制-REVISIT-US
2016.4.22
印刷用PDF
Craig I. Coleman氏
Craig I. Coleman氏

リバーロキサバンはリアルワールドの非弁膜症性心房細動(NVAF)患者において,頭蓋内出血および頭蓋内出血+脳梗塞の複合を有意に抑制し,ROCKET AFやXANTUSの結果と一貫していた-4月17日,第12回European Cardiac Arrhythmia Society(ECAS 2016)にて,Craig I. Coleman氏(University of Connecticut School of Pharmacy,米国)が発表した。

●背景・目的

リバーロキサバンおよびアピキサバンは,第III相試験1, 2)にてビタミンK拮抗薬に比べ,同等あるいはそれ以上の有効性および安全性プロファイルを示したことから,その使用が関連の診療ガイドラインで推奨されている。現在は,日常診療下でのベネフィットおよびリスクを確認するために,リアルワールドにおけるエビデンスが求められている。そこで,上記2剤のリアルワールドでのワルファリンに対する有効性・安全性を比較することを目的とし,Real-world evidence on stroke prevention in patients with atrial fibrillation in the United States(REVISIT-US)研究を行った。

●方法・対象

本研究は,2012年1月1日~2014年10月31日,MarketScan(米国の民間の健康保険)の薬剤処方データを用いた後ろ向き解析である。

対象は,新規にリバーロキサバン,アピキサバン,ワルファリンを開始した成人患者で,CHA2DS2-VAScスコア≧2,ICD-9コードにより2回以上NVAFの診断をうけ,180日以上継続して治療および薬剤処方をうけている症例とした。脳卒中,全身性塞栓症,頭蓋内出血の既往例は除外した。

患者の追跡は,主要イベント(ICD-9コードによる脳梗塞および頭蓋内出血)発症,治療の中止または変更,試験からの脱落,試験終了のいずれかまで行った。リバーロキサバンまたはアピキサバンを投与された患者を同期間にワルファリンを投与された患者とプロペンシティスコアによりマッチングさせ, Cox回帰分析を行った。

●結果

1. リバーロキサバン

期間中,リバーロキサバンまたはワルファリンが投与されていた症例から,それぞれ11,411例がマッチングされた。 平均年齢はリバーロキサバン群70.7歳,ワルファリン群70.7歳,男性はそれぞれ53.6%,53.9%,平均CHA2DS2-VAScスコアは3.46,3.48であった。リバーロキサバン群の17.3%が減量投与例*であった。

リバーロキサバン群の頭蓋内出血は0.49%/年で,ワルファリン群0.96%/年に比べ有意に抑制された(ハザード比[HR]0.53,95%信頼区間0.35-0.79,p<0.05)。脳梗塞は有意ではないが29%減少(0.54%/年,0.83%/年,HR 0.71,0.47-1.07),頭蓋内出血+脳梗塞の複合は有意に抑制された(0.95%/年,1.6%/年,HR 0.61,0.45-0.82,p<0.05)。

図1
図1 リバーロキサバン群およびワルファリン群における主要イベント発症率

2. アピキサバン

期間中,アピキサバンまたはワルファリンが投与されていた症例から,それぞれ4,083例がマッチングされた。 平均年齢はアピキサバン群71.2歳,ワルファリン群71.0歳,男性はそれぞれ53.2%,53.6%,平均CHA2DS2-VAScスコアは3.47,3.47であった。アピキサバン群の15.5%が減量投与例であった。

アピキサバン群の頭蓋内出血は0.38%/年で,ワルファリン群0.97%/年に比べ有意に抑制された(HR 0.38,0.17-0.88,p<0.05)。脳梗塞は有意ではないが13%増加し(0.56%/年,0.51%/年,HR 1.13,0.49-2.63),頭蓋内出血+脳梗塞の複合には有意差を認めなかった(0.89%/年,1.44%/年,HR 0.63,0.35-1.12)。

図2
図2 アピキサバン群およびワルファリン群における主要イベント発症率

●結論

リアルワールドのNVAF患者において,リバーロキサバン,アピキサバンとも,ワルファリンに比べ頭蓋内出血を有意に抑制した。さらに,リバーロキサバンでは頭蓋内出血+脳梗塞の複合も有意に抑制した。このような結果は,ROCKET AF1)ならびにリアルワールドにおける先行研究3, 4)とも概して一貫していた。一方,アピキサバンではワルファリンに比べ有意ではないものの脳梗塞が高値であり,ARISTOTLE2)との一貫性は低かった。

*:NVAF患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制としてのリバーロキサバンの用量は,日本では15mg 1日1回(クレアチニンクリアランス15~49mL/分では10mg 1日1回),海外では20mg 1日1回(同15mg 1日1回)

文献

  • Patel MR, et al. Rivaroxaban versus warfarin in nonvalvular atrial fibrillation. N Engl J Med 2011; 365: 883-91.
  • Granger CB, et al. Apixaban versus warfarin in patients with atrial fibrillation. N Engl J Med 2011; 365: 981-92.
  • Camm AJ, et al. XANTUS: a real-world, prospective, observational study of patients treated with rivaroxaban for stroke prevention in atrial fibrillation. Eur Heart J 2016; 37: 1145-53.
  • Tamayo S, et al. Characterizing major bleeding in patients with nonvalvular atrial fibrillation: a pharmacovigilance study of 27 467 patients taking rivaroxaban. Clin Cardiol 2015; 38: 63-8.


▲TOP
抗血栓療法トライアルデータベース