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米国心臓協会学術集会(AHA 2016)2016年11月12~16日,米国・ニューオーリンズ
リバーロキサバン投与NVAF患者51,842例における重大な出血の評価~米国の市販後安全調査結果より~
2016.12.6
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AHA 2016取材班
Sally Tamayo氏
Sally Tamayo氏

米国の市販後安全性調査から,リアルワールドでリバーロキサバンを投与されているNVAF患者の重大な出血の発現率や発現状況は臨床試験の結果とほぼ一致し,致死的出血はまれ-11月14日,米国心臓協会学術集会(AHA 2016)にて,Sally Tamayo氏(Naval Medical Center,米国)が発表した。

●背景・目的

非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)は大規模臨床試験において,非弁膜症性心房細動(NVAF)患者の脳卒中/全身性塞栓症リスクをワルファリンと同程度,あるいはそれ以上低減させつつ,頭蓋内出血などの出血リスクを低減させた。しかし市販後は,厳格な選択基準や除外基準により患者を登録する大規模臨床試験とは異なる状況下で使用されることから,リアルワールドでのさまざまな患者集団での評価が求められている。 現在,米国では5年間のリバーロキサバンに関する市販後の安全性調査が行われている。今回,リバーロキサバンを服用しているNVAF患者の重大な出血発現状況に関する最新報告が行われた。

●方法

2013年1月1日~2015年12月31日,1,000万人以上を擁する米国国防総省の米軍保健管理システム(MHS)の電子医療記録にて,リバーロキサバン服用のNVAF患者を抽出した。Cunninghamらのアルゴリズム1)を用いて,重大な出血発現率と,その患者背景,併存疾患,併用薬剤,出血の管理法および致死的転帰について評価した。

●結果

1. 重大な出血発現率

リバーロキサバン服用患者51,842例のうち,1,613例(2.71%/年,95%信頼区間[CI] 2.58-2.84)に重大な出血が発現した。この結果は,ROCKET AF試験2)における重大な出血発現率3.6%/年であった。

2. 重大な出血発現例の患者背景

重大な出血発現例の平均年齢は78.6歳,非発現例は76.4歳,男性はそれぞれ51.8%,56.2%であった。併存疾患は,高血圧が86.9%,66.3%,冠動脈疾患が51.0%,30.4%,心不全が37.4%,20.0%,糖尿病が37.0%,26.4%,脳梗塞既往が7.6%,4.3%に認められた。平均CHA2DS2-VAScスコアは4.5,3.4であった。併用薬は,スタチンが59.3%,62.6%,プロトンポンプ阻害薬が41.2%,45.0%,選択的セロトニン再取り込み阻害薬が15.1%,17.5%に投与されていた。

3. 重大な出血発現例の転帰

重大な出血を部位ごとにみると,消化管出血2.33%/年(95%CI 2.21-2.45),頭蓋内出血0.22%/年(95%CI 0.19-0.27),その他/不明0.16%/年(95%CI 0.13-0.19)であった。重大な出血発現例のうち,集中治療室への搬送は43.1%,輸血は49.9%に行われた。致死的出血は49例(0.08%/年,95%CI 0.06-0.11)とまれで,そのうち75.5%は頭蓋内出血,24.5%は消化管出血であった。

●結論

米国の市販後安全性調査から,リアルワールドでリバーロキサバンを投与されているNVAF患者の重大な出血の発現率や発現状況は臨床試験の結果とほぼ一致しており,致死的出血はまれであった。

文献

  • Cunningham A, et al. An automated database case definition for serious bleeding related to oral anticoagulant use. Pharmacoepidemiol Drug Saf 2011; 20: 560-6.
  • Patel MR, et al; the ROCKET AF Investigators. Rivaroxaban versus warfarin in nonvalvular atrial fibrillation. N Engl J Med 2011; 365: 883-91.


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