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米国心臓協会学術集会(AHA 2015)2015年11月7~11日,米国・オーランド
心房細動患者の脳卒中発症抑制に対する抗凝固薬の実臨床下での評価:RELIEF study
2015.11.25
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Thomas Evers氏
Thomas Evers氏

非弁膜症性心房細動患者の脳卒中発症抑制に対し,リバーロキサバンは実臨床下においてもビタミンK拮抗薬に比べ,好ましい有用性を示す-11月8日,米国心臓協会学術集会(AHA 2015)にて,Craig Coleman氏(School of Pharmacy, University of Connecticut,米国;顔写真はThomas Evers氏)が発表した。

●背景・目的

非弁膜症性心房細動(NVAF)患者における脳卒中発症抑制に対し,RCTでリバーロキサバンはワルファリンと同等あるいはそれ以上の有効性および安全性が示されている1)。また,リバーロキサバンの実臨床データとして,はじめての前向き観察研究であるXANTUS2)では,RCTと一貫した安全性および有効性が明らかになっている。ただし,XANTUSは単一群でのデータであり,リアルワールドのNVAF患者において,リバーロキサバンの有用性をビタミンK拮抗薬と比較したデータはまだ少ない。

Real-Life Evidence on Stroke Prevention in Patients with Atrial Fibrillation(RELIEF study)は,日常診療下で新規にリバーロキサバンを処方されたNVAF患者において,ビタミンK拮抗薬との比較を目的とした研究である。

●方法

RELIEF studyは,ドイツの外来患者を対象とした後ろ向き研究である。IMS Disease Analyzer の電子医療記録(診療所1,205施設,医師1,409名)の症例データより,2012年1月~2013年10月にリバーロキサバンあるいはワルファリンを新規に処方された成人患者で,抗凝固薬を最初に処方された日(当該日)もしくは365日前の間にNVAFの診断をうけ,抗凝固薬開始後360日以上の追跡があり,抗凝固薬開始前90日間の患者特性の情報がある患者を対象とした。

弁膜症性心房細動,当該日前にリバーロキサバンやワルファリン投与例,当該日または追跡期間中に複数の経口抗凝固薬処方例,NVAF患者に対するリバーロキサバン承認用法・用量外が投与されている症例は除外とした。

対象患者5,108例(リバーロキサバン群1,046例,ビタミンK拮抗薬群4,062例)について,プロペンシティスコア(年齢,性別,CHA2DS2-VAScスコア,合併症の数)によりベースライン時の差異を補正した。

事前に定めた主要評価項目は,治療開始から1年以内における複合評価項目(脳梗塞,一過性脳虚血発作[TIA],脳内出血,他の非外傷性頭蓋内出血[硬膜下血腫を含む],心筋梗塞)発現までの期間とし,Cox比例ハザード解析を行った。

●結果

プロペンシティスコアを合致させた2,078例(リバーロキサバン群,ビタミンK拮抗薬群各1,039例)を対象とした。平均年齢はリバーロキサバン群74.0歳,ビタミンK拮抗薬群74.4歳,男性は両群とも51.8%であった。平均CHA2DS2-VAScスコアは両群とも3.9で,合併症(高血圧はそれぞれ80.4%,81.4%,糖尿病32.1%,35.2%,腎不全10.6%,12.8%,深部静脈血栓症7.8%,6.4%,不安定狭心症7.3%,6.2%)もほぼ同様であった。NVAFの診断から経口抗凝固薬開始までの期間(中央値)は,それぞれ18.5日,29.3日であった。

心血管疾患治療薬の使用は,抗不整脈薬はそれぞれ13.5%,10.9%,β遮断薬は76.2%,76.5%,ACE阻害薬は43.6%,51.7%,ARBは28.3%,23.7%,Ca拮抗薬は29.9%,33.6%,利尿薬は40.0%,46.6%,抗血小板薬は28.1%,24.8%であった。

追跡期間中の複合評価項目発症数はリバーロキサバン群20例(1.97/100患者・年)で,ビタミンK拮抗薬群37例(3.68/100患者・年)に比べ,有意に抑制された(HR 0.536,95%CI 0.311-0.923,p=0.0245)。複合評価項目の初発までの日数(中央値)は,それぞれ172.5日,155.0日であった。

評価項目の個々の要素は以下の通りである。脳梗塞はリバーロキサバン群7例(0.69/100患者・年),ビタミンK拮抗薬群16例(1.58/100患者・年),TIAはそれぞれ6例(0.59/100患者・年),11例(1.08/100患者・年),脳内出血は1例(0.10/100患者・年),3例(0.29/100患者・年),他の非外傷性頭蓋内出血(硬膜下血腫を含む)は0例,1例(0.10/100患者・年),心筋梗塞は6例(0.59/100患者・年),7例(0.69/100患者・年)。

●結論

NVAF患者に対し,リバーロキサバンはビタミンK拮抗薬に比べ,実臨床下においても好ましい有用性を示した。

文献

  • Patel MR, et al.; the ROCKET AF Investigators. Rivaroxaban versus warfarin in nonvalvular atrial fibrillation. N Engl J Med 2011; 365: 883-91.
  • Camm AJ, et al.; on behalf of the XANTUS Investigators . XANTUS: a real-world, prospective, observational study of patients treated with rivaroxaban for stroke prevention in atrial fibrillation. Eur Heart J 1 September 2015, DOI: http://dx.doi.org/10.1093/eurheartj/ehv466

Coleman C, et al. Real-life Evidence of Stroke Prevention in Patients With Atrial Fibrillation: The RELIEF Study.

JCS 2018

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