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米国心臓協会学術集会(AHA 2015)2015年11月7~11日,米国・オーランド
リアルワールドにおける心房細動患者のNOAC投与中止,薬剤変更のパターンとその理由-ORBIT-AF II Registryより
2015.12.4
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Benjamin A Steinberg氏
Benjamin A Steinberg氏

脳卒中発症抑制のためにNOACを投与されているリアルワールドの心房細動患者において,6ヵ月の追跡期間中,約1/5の患者で投与中止または薬剤変更が行われている-11月10日,米国心臓協会学術集会(AHA 2015)にて,Benjamin A. Steinberg氏(Duke University Medical Center,米国)が発表した。

●背景・目的

心房細動患者の脳卒中予防に対し,経口抗凝固薬が有用であることは広く知られているが,ワルファリンの忍容性はしばしば問題となる。一方で,非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)の忍容性についてのエビデンスは,十分とはいえない。

そこで本研究では,新規に心房細動と診断された患者を対象に,リアルワールドでの経口抗凝固薬の中止,薬剤変更のパターンについて,NOACとワルファリンで比較するとともに,その理由についても検討を行った。

●方法

ORBIT-AF II Registryは米国の前向き登録研究で,新規に心房細動と診断された患者,もしくは新規にNOAC投与が開始された患者を対象としている。登録は進行中であるが,本解析は2013年2月20日~2015年2月6日に登録された,心房細動の診断をうけてから6ヵ月以内で,ベースライン時に経口抗凝固薬が投与されている2,345例を対象とした。

対象患者をベースライン時の投与薬剤別(NOACまたはワルファリン)に層別化を行い,6ヵ月後の治療状況(継続,薬剤変更か,中止)について比較するとともに,投与中止もしくは薬剤変更までの期間,理由についてもあわせて検討を行った。

●結果

1.患者背景

対象患者2,345例のうち,ベースライン時にNOACが投与されたのは1,656例(71%)で,その内訳はダビガトラン184例(11.1%),リバーロキサバン981例(59.2%),アピキサバン491例(29.6%)であった。ワルファリンが投与されたのは689例(29%)であった。

6ヵ月後の治療状況別にNOAC投与患者の背景をみると,投与中止例(246例)では投与継続例(1,292例),薬剤変更例(118例)に比べ若齢で(年齢中央値:それぞれ68歳,72歳,73歳,p=0.0004),平均CHA2DS2-VAScスコア平均値が低かった(それぞれ3.0,3.5,3.6,p=0.0008)。また,脳卒中または一過性脳虚血発作(TIA)既往にも有意差がみられた(それぞれ6.5%,12.0%,9.3%,p=0.02)。

一方,ワルファリン投与患者(689例)では,投与中止例(91例),投与継続例者(546例),薬剤変更例(52例)について,年齢中央値(それぞれ74歳,74歳,72歳)および平均CHA2DS2-VAScスコア(それぞれ3.7,3.8,4.0),脳卒中またはTIA既往(12%,13%,23%)には有意差を認めなかった。

2.投与中止,薬剤変更の割合と期間

6ヵ月後の投与中止,薬剤変更患者の割合は,ベースラインに投与されていた薬剤にかかわらずほぼ同等で,NOAC投与患者では364例(22%),ワルファリン投与患者では143例(21%)であった。

また,投与中止あるいは薬剤変更までの期間を比較すると,NOAC群は97日で,ワルファリン群の122日に比べ短かった(p=0.003)。

薬剤変更の内訳について,ワルファリンからNOACへの変更は52例(7.6%)であった。NOACからワルファリンへの切り替えは42例(2.5%)で,NOACから別のNOACへの変更は,ダビガトラン(184例)からは9.8%,リバーロキサバン(981例)からは3.2%,アピキサバン(491例)からは5.5%の患者であった。

3.投与中止,薬剤変更の理由

投与中止,薬剤変更の理由としてもっとも多くあげられたのは,NOAC投与患者(279例),ワルファリン投与患者(89例)ともに「医師の選択」であった(それぞれ32%,47%)。NOAC投与患者のほうがワルファリン投与患者より多かったのは「薬剤コスト」(それぞれ15%,0%,p=0.0001)で,逆にNOAC投与患者のほうが少なかったのは「服用の継続またはモニタニング不可能」(1.1%,6.7%,p=0.002),「転倒/衰弱」(1.1%,4.5%,p=0.04)であった。

●結論

6ヵ月という短期間の追跡結果ではあるが,NOACあるいはワルファリン投与患者において,投与中止あるいは薬剤変更が行われたのはともに約1/5で,ほぼ同等であった。薬剤変更理由として医師の選択によるものが多かった。

Steinberg BA, et al. T 4051 - Patterns of Discontinuation for Non-vitamin K Oral Anticoagulants in Atrial Fibrillation: Results From the ORBIT-AF II Registry.

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