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米国心臓協会学術集会(AHA 2015)2015年11月7~11日,米国・オーランド
リバーロキサバン服用の腎障害合併NVAF患者における重大な出血の発現状況-米国PMSより
2015.12.4
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腎障害合併患者は非合併患者に比べ,重大な出血事象の発現率が高かったが,その発現頻度や発現パターンは臨床試験と同様-11月9日,米国心臓協会学術集会(AHA 2015)にて,Sally Tamayo氏(Naval Medical Center,米国)が発表した。

●背景・目的

抗凝固療法をうけている腎障害患者は正常患者に比べ,出血リスクが高いことが知られている。リバーロキサバンは非弁膜症性心房細動(NVAF)患者における脳卒中または全身性塞栓症発症抑制を目的として広く用いられているが,今回,米国におけるリバーロキサバンの市販後調査(PMS)データを用いて,腎障害の有無別に重大な出血事象発現率を調査し,その発現パターンを検討した。

●方法

リバーロキサバンのPMSでは,米国国防総省の約1,000万人に関する電子医療記録データベースを用いた。2013年1月1日~2015年6月30日の期間中,リバーロキサバンを服用しているNVAF患者として44,793例が抽出された。このうち,重大な出血事象のために入院した症例を同定。出血事象はCunninghamらのアルゴリズム1)を用い同定した。腎障害については,重大な出血事象発現例では発現前の6ヵ月間にその診断をうけているもの,非発現例では研究終了時に診断をうけているものとした。

●結果

重大な出血事象は,腎障害患者(6,921例)では312例(4.52/100患者・年,95%CI 4.05-5.05),非腎障害患者(37,872例)では981例(2.54/100患者・年,(95%CI 2.38-2.70)に認めた。重大な出血事象による致死的転帰は,それぞれ0.09/100患者・年(95%CI 0.04-0.19),0.09/100患者・年(95%CI 0.07-0.13)であった。

重大な出血事象の発現部位は,消化管が大部分を占めた(腎障害患者87.5%,非腎障害患者85.9%)。他は,頭蓋内がそれぞれ5.1%,9.1%,尿生殖器0%,1.1%など。輸血はそれぞれ54.2%,49.7%に行われた。

腎障害患者における平均年齢は,重大な出血事象発現例78.3歳,非発現例78.5歳,非腎障害患者ではそれぞれ78.8歳,75.8歳であった。平均CHA2DS2-VAScスコアは,腎障害患者における重大な出血事象発現例では5.1,非発現例では4.7,非腎障害患者ではそれぞれ4.4,3.3であった。合併症について,高血圧は腎障害患者で重大な出血事象発現例では95.2%,非発現例では91.3%,非腎障害患者ではそれぞれ84.9%,62.3%,冠動脈疾患はそれぞれ62.2%,51.0%,48.0%,27.2%,心不全は53.5%,45.3%,32.7%,15.7%,糖尿病は53.2%,47.8%,31.2%,22.8%,脳梗塞既往は10.3%,7.6%,6.6%,3.4%であった。

●結論

リバーロキサバンを投与されているNVAF患者44,793例において,腎障害患者は非腎障害患者に比べ,重大な出血事象の発現率が高かった。腎障害患者ではCHA2DS2-VAScスコアが高かったことから,合併症による交絡的影響がその理由の一端を占めると考えられ,更なる検討が望まれる。

重大な出血事象による致死的転帰は,腎障害の有無にかかわらず同程度であった。リアルワールドでの幅広い患者を対象とした本研究において,重大な出血事象および重大な出血事象に関連する致死的転帰の発現率およびそのパターンは,リバーロキサバンの臨床試験の結果と同様で一貫していた。

文献

  • Cunningham A, et al. An automated database case definition for serious bleeding related to oral anticoagulant use. Pharmacoepidemiol Drug Saf 2011; 20: 560-6.

JCS 2018

AHA 2017

ESC 2017

JCS 2017

STROKE 2017

AHA 2016

JCC 2016

ESC 2016


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