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米国心臓協会学術集会(AHA 2015)2015年11月7~11日,米国・オーランド
非ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬服用患者におけるリバーロキサバンの有効性および安全性-ROCKET AFより―
2015.12.8
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Jeffrey B Washam氏
Jeffrey B Washam氏

リバーロキサバンのワルファリンに対する有効性および安全性は,非ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬服用の有無にかかわらず一貫していた-11月8日,米国心臓協会学術集会(AHA 2015)にて,Jeffrey B. Washam氏(Duke Heart Center,米国)が発表した。

●背景・目的

心房細動患者のレートコントロール治療に用いられるジルチアゼムやヘラパミルなどの非ジヒドロピリジン(DHP)系Ca拮抗薬は,薬物動態学的にP-糖蛋白およびチトクローム450 3A4(CYP3A4)阻害作用を有する。そのため同薬は,リバーロキサバンなどのP-糖蛋白やCYP3A4が基質となる薬剤に対する曝露量を増大させるものの,これら薬剤との併用は認められている。

本解析はROCKET AFのpost hoc解析として,非DHP系Ca拮抗薬のベースライン使用が,リバーロキサバンとワルファリンの安全性および有効性に及ぼす影響について検討した。

●方法

対象は,ROCKET AFに参加した心房細動患者14,264例である。評価項目に影響する因子について調整後,Cox比例ハザード回帰モデルにより,ベースライン時の非DHP系Ca拮抗薬服用に関連するリバーロキサバンとワルファリンの患者背景および転帰を比較した。有効性主要評価項目の解析にはITT集団,安全性主要評価項目には安全性解析対象集団を用いた。

対象患者をベースライン時の非DHP系Ca拮抗薬服用の有無により分け,傾向(プロペンシティ)スコア法の逆数を重み付けとして評価した。

有効性主要評価項目は脳卒中+全身性塞栓症の複合,安全性主要評価項目は,重大な出血事象または重大ではないが臨床的に問題となる出血事象とした。

●患者背景

無作為割付時,1,308例(9.2%)が非DHP系Ca拮抗薬を服用していた。同薬服用例は非服用例に比べ高齢で(74歳,73歳,p<0.0001),女性が多かった(45%,39%,p<0.0001)。また,心房細動診断からの時間が長く(4.1年,3.1年,p<0.0001),CHADS2スコアが低かった(3.3,3.5,p<0.0001)。合併症としては,脳卒中/一過性脳虚血発作/全身性塞栓症既往(51%,55%,p=0.0034),心筋梗塞既往(14%,18%,p=0.0033),うっ血性心不全例(49%,64%,p<0.0001)が少なく,糖尿病(43%,41%,p=0.011),弁膜症例(18%,14%,p=0.0002),慢性閉塞性肺疾患(21%,9%,p<0.0001)が多かった。

薬物療法をみると,非DHP系Ca拮抗薬服用例は以前のビタミンK拮抗薬服用例が多く(75%,61%,p<0.0001),以前の抗血小板薬長期の慢性服用例が少なかった(31%,37%,p<0.0001)。また,ACE阻害薬/ARB使用例(63%,75%,p<0.0001),β拮抗薬使用例(32%,68%,p<0.0001)が少なく,ジギタリス使用例が多かった(43%,38%,p<0.0001)。

●結果

有効性主要評価項目は,非DHP系Ca拮抗薬服用例2.41/100患者・年,非服用例2.25/100患者・年で,有意差を認めなかった(補正後HR 1.39,95%CI 0.93-2.09,p=0.11)。リバーロキサバンの有効性は,非DHP系Ca拮抗薬服用の有無にかかわらず一貫していた(服用例:リバーロキサバン群2.33/100患者・年,ワルファリン群2.50/100患者・年,補正後HR 1.18,95%CI 0.59-2.37,非服用例:それぞれ2.06/100患者・年,2.43/100患者・年,補正後HR 0.86,95%CI 0.72-1.03,交互作用のp=0.38)。

安全性主要評価項目についても,非DHP系Ca拮抗薬服用の有無による有意差は認めなかった(服用例19.36/100患者・年,非服用例14.44/100患者・年,補正後HR 1.17,95%CI 0.98-1.39,p=0.087)。リバーロキサバンの安全性は,非DHP系Ca拮抗薬服用の有無にかかわらず一貫していた(服用例:リバーロキサバン群20.99/100患者・年,ワルファリン群17.69/100患者・年,補正後HR 1.32,95%CI 0.94-1.86,非服用例:それぞれ14.45/100患者・年,14.44/100患者・年,補正後HR 1.01,95%CI 0.93-1.09,交互作用のp=0.14)。

さらに,非DHP系Ca拮抗薬を服用例において腎機能別に検討したところ,リバーロキサバンの安全性は腎機能にかかわらず一貫していた(交互作用のp=0.76)。

●結論

リバーロキサバンまたはワルファリンを投与されている心房細動患者において,有効性,安全性主要評価項目とも,非DHP系Ca拮抗薬服用の有無による差は認められなかった。腎機能のサブグループ間の比較においても,安全性主要評価項目について,治療群による差異を認めなかった。リバーロキサバンのワルファリンに対する有効性および安全性は,ROCKET AF全体の結果と一貫していた。

Washam JB, et al. Efficacy and Safety of Rivaroxaban versus Warfarin in Patients Taking Non-dihydropyridine Calcium Channel Blockers: Results From the ROCKET AF Trial.

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