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米国心臓協会学術集会(AHA 2014)2014年11月15~19日,米国・シカゴ
非弁膜症性心房細動患者における入院日数,医療資源,医療費に対するリバーロキサバンの有用性:ワルファリンとの比較
2015.2.23
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Concetta Crivera氏
Concetta Crivera氏

リバーロキサバン服用患者にかかる総医療費は,ワルファリン服用患者と同等-11月18日,第87回米国心臓協会学術集会(AHA 2014)にて,François Laliberté氏(Janssen Scientific Affairs, LLC,米国/写真は共同演者のConcetta Crivera氏[Janssen Scientific Affairs, LLC])が発表した。

●背景・目的

非弁膜症性心房細動(NVAF)患者の脳卒中予防において,ワルファリンの代替薬として新規経口抗凝固薬(NOAC)が使われるようになってきた。NOACは定期的なプロトロンビン時間国際標準比(PT-INR)のモニタリングを必要とせずに投与できる利点がある。また,NOAC投与例では入院期間が短縮され,医療経済的にベネフィットが得られる可能性が示唆されている(AHA 2013「リバーロキサバンはワルファリンにくらべ入院期間を短縮する」)。

本研究は,医療資源の観点からワルファリンとリバーロキサバンの有用性を比較する後ろ向きコホート研究である。評価項目は,入院総日数,医療資源の利用(入院,救急外来受診または外来受診の回数),医療費(入院,救急外来受診,外来受診,薬剤に関する費用)。いずれの項目も,原因を問わない総数と心房細動関連について解析・評価を行った。

●方法

Humana社のデータベース*を用いて,2011年5月~2012年12月の健康保険請求に関するデータを解析した。対象は18歳以上で,2011年11月以降にリバーロキサバンもしくはワルファリンの服用を新規に開始し,開始日の180日以上前から健康保険プランに加入し,追跡期間中に2回以上心房細動の診断を受けた患者とした。

リバーロキサバン服用例(2,253例)に対し,プロペンシティスコア法により1:1でワルファリン服用例(2,253例)をマッチングし,観察を行った(保険補償終了,死亡,あるいは他の抗凝固薬への切り替えが行われるまで)。

*Humana社は米国の大手民間保険会社。データベースには全米のメディケアあるいは営利保険加入者1,130万人以上が含まれ,患者背景,登録歴,医療費・薬剤費・検査費の請求に関する情報が登録されている。

●患者背景

対象者の平均年齢はリバーロキサバン服用例 74.2歳,ワルファリン服用例 74.5歳,女性の比率はそれぞれ46.2%,45.8%,CHADS2スコア2.3,2.3。ベースライン時の医療資源の利用あるいは医療費,合併症などについても両グループはよくマッチし,バランスがとれていた。

●結果

平均追跡期間はリバーロキサバン服用例 114.0日,ワルファリン服用例 123.7日であった。

1.すべての入院や医療費に対する解析(原因を問わない)
入院総日数はリバーロキサバン服用例 2.71日,ワルファリン服用例 3.87日で,リバーロキサバン服用例で有意に入院日数が短縮していた(p=0.032)。外来受診回数もリバーロキサバン服用例 25.3回,ワルファリン服用例 35.8回で,リバーロキサバン服用例で有意に少なかった(p<0.0001)。

医療費に関しては,入院費および外来受診費がリバーロキサバン服用例で有意に低かったが,薬剤費は有意に高くなり,総費用はリバーロキサバン服用例 17,590ドル,ワルファリン服用例 18,676ドルで,両グループ間に有意差はみられなかった(p=0.5418)。

2.心房細動に関連する入院や医療費に対する解析
心房細動関連についても,同様の傾向がみられた。入院総日数はリバーロキサバン服用例 2.11日,ワルファリン服用例 3.02日で,リバーロキサバン服用例で有意に入院日数が短縮していた(p=0.014)。入院はリバーロキサバン服用例 0.40回,ワルファリン服用例 0.57回(p=0.0220),外来受診はリバーロキサバン服用例 5.48回,ワルファリン服用例 9.06回で(p<0.0001),ともにリバーロキサバン服用例の回数が有意に少なかった。一方で,救急外来受診はリバーロキサバン服用例 0.48回,ワルファリン服用例 0.26回で,リバーロキサバン服用例のほうが多かった(p=0.0040)。

医療費に関しては,とくに入院費がリバーロキサバン服用例で有意に低かったが,薬剤費と相殺され,総費用はリバーロキサバン服用例 7,394ドル,ワルファリン服用例 7,319ドルとなり,両グループ間に有意な差はみられなかった(p=0.9431)。

●結論

リバーロキサバン服用のNVAF患者では,ワルファリン服用に比べて入院日数が短縮し,外来受診回数が減少することが示唆された。リバーロキサバン服用例で薬剤費が高くなるが,入院費の低下などにより相殺され,総医療費はワルファリン服用例と同等であった。 本研究の限界として,Concetta Crivera氏は,診断,処置,薬剤費などを保険請求に基づいて解析している点,観測可能な因子のみのマッチングである点などをあげた。

Laliberté F, et al. Effect of Rivaroxaban vs Warfarin on Hospitalization Days, Healthcare Resource Utilization, and Costs in Nonvalvular Atrial Fibrillation Patients Using Rivaroxaban.


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