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第85回米国心臓協会学術集会(AHA 2012)2012年11月3〜7日,米国・ロサンゼルス
ROCKET-AF:高齢患者における有用性
2012.12.18

リバーロキサバンのワルファリンに対する有効性および安全性は,年齢にかかわらず一貫して認められた−本解析はJonathan L. Halperin氏(Mount Sinai School of Medicine,米国)らが2012年の国際脳卒中会議(ISC)で発表し,Best of AHA Specialty Conferencesに選出されたもので,第85回米国心臓協会学術集会(AHA 2012)で再度発表された。
*ROCKET AFの概要は下記を参照

●背景・目的
75歳以上の高齢者における非弁膜症性心房細動の有病率は5〜10%とされており,この年齢層はそれより若い年齢層に比べ,血栓塞栓症のリスクが高いことが知られている。ワルファリンは心原性脳塞栓症の有用性が確立されているものの,出血リスクや薬物相互作用,凝固能モニタリングが必要であるなどの理由で治療を継続できない患者が多く,より簡便な新規抗凝固薬が待ち望まれてきた。

事前に計画されたROCKET AFのサブ解析として,リバーロキサバンの有効性と安全性を年齢別に解析した。

●結果
脳卒中リスク因子である脳卒中,一過性脳虚血発作,または全身性塞栓症の既往は,75歳未満および75歳以上でそれぞれ65%および42%,糖尿病の合併はそれぞれ45%および34%であり,いずれも75歳未満で高い傾向がみられた。高血圧など他の因子については,大きな差異はみられなかった。

ワルファリン群におけるプロトロンビン時間国際標準比(PT-INR)の治療域内時間(TTR)は,75歳未満および75歳以上でそれぞれ53.9%および56.9%であった。

有効性主要評価項目(脳卒中または全身性塞栓症)の発症率は,75歳未満ではリバーロキサバン群2.00%/年およびワルファリン群2.10%/年(HR 0.95,95%CI 0.76-1.19),75歳以上では2.29%/年および2.85%/年(HR 0.80,95%CI 0.63-1.02)であり,リバーロキサバンの有効性は年齢にかかわらず一貫していた(交互作用p=0.3131)。

その他の項目についても年齢の影響は認められず,リバーロキサバンの有効性は一貫していた。

[脳梗塞]
75歳未満:1.55%/年 vs. 1.40%/年,HR 1.10,95%CI 0.84-1.44,75歳以上:1.71%/年 vs. 1.95%/年,HR 0.88,95%CI 0.67-1.16(交互作用p=0.2448)。

[心筋梗塞]
75歳未満:0.89%/年 vs. 0.96%/年,HR 0.93,95%CI 0.67-1.31,75歳以上:1.18%/年 vs. 1.32%/年,HR 0.89,95%CI 0.64-1.25(交互作用p=0.8571)。

[全死亡]
75歳未満:3.52%/年 vs. 3.75%/年,HR 0.94,95%CI 0.79-1.11,75歳以上:5.85%/年 vs. 6.46%/年,HR 0.90,95%CI 0.78-1.05(交互作用p=0.7503)。
(すべてintention-to-treat population)

重大な出血についても,75歳未満ではリバーロキサバン群2.69%/年,ワルファリン群2.79%/年(HR 0.96,95%CI 0.78-1.19),75歳以上では4.86%/年,4.40%/年(HR 1.11,95%CI 0.92-1.34)であり,年齢にかかわらず一貫していた(交互作用p=0.336)。

出血性脳卒中についても同様であった。75歳未満:0.20%/年 vs. 0.41%/年,HR 0.47,95%CI 0.25-0.88,75歳以上:0.34%/年,0.49%/年,HR 0.70,95%CI 0.39-1.26(交互作用p=0.365)。

●結論
ROCKET AFにおいて,75歳以上の患者では75歳未満の患者に比べ,脳卒中または全身性塞栓症,重大な出血の絶対発生率が高く,出血性脳卒中の絶対発生率は同程度であった。リバーロキサバンのワルファリンと比較した有効性および安全性は,年齢にかかわらず一貫して認められた。

Halperin JL, et al. Efficacy and Safety of Rivaroxaban Compared with Warfarin Among Elderly Patients with Nonvalvular Atrial Fibrillation in the ROCKET-AF Trial. Circulation 2012; 126: A10418. [e-poster

*ROCKET AF試験:非弁膜症性心房細動患者14,264例において,リバーロキサバンの有効性および安全性を用量調節ワルファリン(PT-INR 2.0〜3.0)と比較した無作為化二重盲検試験。有効性主要評価項目(脳卒中または全身性塞栓症)について,リバーロキサバンの非劣性が認められ,さらに治験薬投与下ではワルファリンに対する優越性も認められた。
[参考][ROCKET AF構造化抄録


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