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第84回米国心臓協会学術集会(AHA 2011)2011年11月12〜16日,米国・オーランド
ROCKET AFサブグループ解析
ROCKET AFにおける心血管転帰
2011.11.28
Kenneth W Mahaffey氏
Kenneth W Mahaffey氏

【11月16 日・オーランド】

試験背景/目的 冠動脈疾患と心房細動の合併率は高い。そのような患者は虚血性心/脳血管リスクにさらされており,抗血小板薬と抗凝固薬の併用,手技やインターベンションに関連しての抗血栓療法管理,急性期の治療法選択などが課題とされている。本解析は,ROCKET AF試験の事前に予定されたサブグループ解析として心血管転帰を検討したもので,Kenneth W Mahaffey氏(Duke Clinical Research Institute)によって報告された。

試験プロトコール ROCKET AF試験は非弁膜症性心房細動患者14,264例における脳卒中および非中枢神経系全身塞栓症の予防効果について,リバロキサバン群(リバロキサバン20mg/日,クレアチニンクリアランス30~49mL/分の腎障害患者では15mg/日),ワルファリン群(標的INR 2.5,範囲2.0~3.0)を比較した二重盲検ランダム化比較試験である。本解析は治験薬投与下のデータにて検討が行われた。

結果 心筋梗塞(MI)既往は全体の約17%であった(リバロキサバン群:既往あり1182例,既往なし5949例,ワルファリン群:既往あり1286例,既往なし5847例)。
患者背景は,年齢はリバロキサバン群:既往あり73(66~79)歳,既往なし73(65~78)歳,ワルファリン群:既往あり74(67~79)歳,既往なし72(65~78)歳。各群の女性25%,43%,26%,43%。ワルファリン群におけるTTR中央値59.1(IQR 44.9~71.5)%,57.6(42.6~70.4)%。CHADS2スコア3(3~4),3(3~4),3(3~4),3(3~4)。薬物療法:アスピリン48%,34%,47%,34%,ビタミンK拮抗薬66%,62%,66%,62%,チエノピリジン3%,2%,4%,2%。リスク因子:高血圧93%,90%,94%,90%,うっ血性心不全78%,60%,77%,59%,糖尿病46%,39%,47%,38%,脳卒中/一過性脳虚血発作45%,54%,46%,53%。

血管死+MI+不安定狭心症の複合発症率はリバロキサバン群2.70/100人・年,ワルファリン群3.15/100人・年(HR 0.86,95%CI 0.73-1.00)であった。リバロキサバン群,ワルファリン群ともにMIの既往を有する症例は既往のない症例より発症率が高かった。
血管死およびMIはリバロキサバン群2.35/100人・年 vs. ワルファリン群2.70/100人・年(HR 0.87,95%CI 0.74-1.02)。
血管死は1.53/100人・年vs. 1.71/100人・年(HR 0.89,95%CI 0.73-1.10)。
MIは0.91/100人・年vs. 1.12/100人・年(HR 0.81,95%CI 0.63-1.06)。
不安定狭心症は0.37/100人・年vs. 0.51/100人・年(HR 0.73,95%CI 0.49-1.09)。
全死亡は1.87/100人・年vs. 2.21/100人・年(HR 0.85,95%CI 0.70-1.02)。

重大な出血および重大ではないが臨床的に問題となる出血は,MI既往のある患者ではリバロキサバン群18.84/100人・年 vs. ワルファリン群15.51/100人・年,既往のない患者では14.20/100人・年vs. 14.31/100人・年で,交互作用が認められた(交互作用p=0.0352)。
致死的出血は,MI既往あり:リバロキサバン群0.17/100人・年 vs. ワルファリン群0.30/100人・年,既往なし:0.25/100人・年vs. 0.52/100人・年(交互作用p=0.8497)。
頭蓋内出血は,MI既往あり:リバロキサバン群0.34/100人・年 vs. ワルファリン群0.61/100人・年,既往なし:0.52/100人・年vs. 0.77/100人・年(交互作用p=0.7240)。

MI発症例(リバロキサバン群102例,ワルファリン群125例)では,リバロキサバン群39%,ワルファリン群35%がMI発症後5日以内に試験薬を中止した。5日以内に中止したが再開したのは33% vs. 32%,試験薬を継続したのは26%vs. 34%であった。

発表者のMahaffey氏は,「MI既往患者の有効性,安全性転帰はROCKET AF試験全体の結果と一致しており,試験薬投与中,リバロキサバン群はワルファリン群に比し虚血性心血管転帰発症率が低かった。これらの結果より,MI既往を有する中等度から高リスクの心房細動患者において,リバロキサバンのワルファリンの代替薬としての使用が支持された」と述べた。

ROCKET AF構造化抄録

Kenneth W Mahaffey, et al. Ischemic Cardiac Outcomes in Patients with AF Treated with Vitamin K Antagonism or Factor Xa Inhibition: Results from the ROCKET AF Trial


発表スライド等はDuke Clinical Research Instituteのサイトでご覧いただけます。
https://dcri.org/education-training/meetings/aha-2011


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