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第84回米国心臓協会学術集会(AHA 2011)2011年11月12〜16日,米国・オーランド
ROCKET AFサブ解析
腎機能障害は脳卒中/非中枢神経系全身塞栓症の強力な予測因子
2011.11.30

【11月14日・オーランド】

試験背景/目的 脳卒中は心房細動の重大な合併症であり,リスクの層別化は効果的な脳卒中予防に欠くことのできないファーストステップである。本解析はROCKET AF試験において脳卒中および非中枢神経系全身塞栓症発症率に関連する因子を同定したもので,Jonathan P Piccini氏(Duke Clinical Research Institute)により報告された。

試験プロトコール ROCKET AF試験は非弁膜症性心房細動患者14,264例における脳卒中および非中枢神経系全身塞栓症の予防効果について,リバロキサバン群(リバロキサバン20mg/日,クレアチニンクリアランス30~49mL/分の腎障害患者では15mg/日),ワルファリン群(目標INR 2.5,範囲2.0~3.0)を比較した無作為化二重盲検比較試験である。

結果 患者背景は,年齢はイベント非発症群73(65~78)歳,脳卒中/非中枢神経系全身塞栓症発症群74(67~79)歳。女性39.3%,46.6%。CHADS2スコア3(3~4),4(3~4)。CHA2DS2VAScスコア5(4~6),5(4~6)。クレアチニンクリアランス68(52~87)mL/分,62(48~79)mL/分。心房細動のタイプ:持続性80.9%,83.5%,発作性17.7%,14.8%,新規発症1.4%,1.7%。脳卒中/一過性脳虚血発作(TIA)既往52.0%,63.7%。高血圧90.4%,91.7%。

脳卒中/非中枢神経系全身塞栓症に関連する臨床因子は以下の通りであった。
脳卒中/TIA既往:HR 1.825,95%CI 1.514-2.199,p<0.0001。
クレアチニンクリアランス(10mL/分低下ごと):HR 1.115,95%CI 1.068-1.164,p<0.0001。
拡張期血圧:HR 1.117,95%CI 1.026-1.217,p=0.0105。
血管疾患(冠動脈疾患,心筋梗塞,末梢血管疾患):HR 1.242,95%CI 1.025-1.505,p=0.0271。
発作性心房細動(新規発症/持続性心房細動に比し):HR 0.773,95%CI 0.613-0.975,p=0.0299。
心拍数(10bpm増加ごと):HR 1.058,95%CI 1.002-1.117,p=0.0415。

ベースライン時のeGFR値により検討したところ,eGFR<60 mL/分/1.73m²の患者は≧60 mL/分/1.73m²の患者に比し脳卒中/非中枢神経系全身塞栓症の累積発症率が高かった。脳卒中既往の有無別の検討でも同様の結果であった。

脳卒中/非中枢神経系全身塞栓症に関連する追加的因子には拡張期血圧,心拍数,発作性心房細動,心/末梢血管疾患が含まれた(C統計量0.635)。このモデルはCHA2DS2VAScモデル(C統計量0.578),CHADS2モデル(C統計量0.575)に比べ識別能を改善した。他の共変量を外しeGFR<60mL/分/1.73m²,脳卒中/TIA既往を含めると,C統計量は0.591であった。

発表者のPiccini氏は,「腎機能障害は脳卒中/非中枢神経系全身塞栓症の強力な予測因子であった。脳卒中予防療法におけるリスク層別化には腎機能障害を組み入れるべきである」と述べた。

ROCKET AF構造化抄録

Jonathan P Piccini, et al. 17137/4040 - Renal Dysfunction is a Potent Predictor of Stroke and Systemic Embolism Among Individuals with Atrial Fibrillation: Results from the ROCKET AF Trial


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